児童文学

2014年7月 7日

三銃士

◇◆第867回◆◇

4001145618三銃士〈上〉 (岩波少年文庫)
アレクサンドル デュマ 長島 節
岩波書店 2002-12-18

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児童書として抄訳された『三銃士』
『三銃士』はアレクサンドル・ディュマ・ペールによって1844年に書かれた小説です。物語の背景は十七世紀はじめ、フランスのルイ13世の時代です。片田舎ガスコーニュ地方から銃士を目指してパリへ出てきたダルタニャンが、アトス、ポルトス、アラミスの3人の銃士と知り合い友情を結びます。枢機卿リシュリュー、王妃アンヌ・ドートリッシュ、イギリス貴族バッキンガム公爵など実在の歴史上の人物が登場し、剣と恋と陰謀が入り乱れてテンポよく話が進んでいきます。

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2013年11月29日

銀のうでのオットー

◇◆第834回◆◇

4887501420銀のうでのオットー (子どもの文学―青い海シリーズ)
ハワード パイル Howard Pyle
童話館出版 2013-08

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静かな愛と勇気の物語
この物語は13世紀の神聖ローマ帝国(現在のドイツ)を舞台にしています。この時代のドイツは大空位時代と呼ばれ、およそ300の諸侯が領地争いをする混乱の中にありました。主人公のオットーはこんな時代の中で、諸侯のあとつぎのひとりとして生を受けます。中世の騎士が登場する話ときけば、華々しい戦いが繰り広げられる物語かと思いますが、内容はかなり異なっています。

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2010年7月26日

バッテリー

◇◆第672回◆◇

4043721013バッテリー Ⅰ~Ⅵ(角川文庫)
あさの あつこ
角川書店 2003-12

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天才とそれを取り巻く人々の物語
天才的な投手としての才能を持つ主人公・原田巧の中学1年生の一年間を描いています。児童文学ですが、少年たちの心理描写や駆け引きなどは、むしろ大人の世界を思わせるものがあります。それをどうとらえるかは読み手しだいで、子どもらしくないと思う人や拒否感を抱く人もあるでしょう。野球が題材なので、少年漫画のような世界、「汗と涙と友情と」というような物語を期待すると肩透かしをくらいます。作者はそういうものを少年たちにおしつけたくはないという感覚でこの小説を書いたように思います。

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2009年2月15日

ウォーターシップ・ダウンのウサギたち

◇◆第521回◆◇

4566015009ウォーターシップ・ダウンのウサギたち〈上〉 (ファンタジー・クラシックス)
リチャード・アダムズ  神宮 輝夫(訳)
評論社 2006-09

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予言に導かれて村を出たウサギたちの冒険物語
舞台はロンドンの西、ニューベリー近郊の丘陵地帯、そこに住むウサギの群れがこの物語の主人公たちです。小さな弱虫だけど予言能力のあるファイバーの「恐ろしいことがやってくる」という言葉に促されて、ヘイズル、ビグウィグ、ブッラックベリら若い牡たちのグループは生まれた村を後にすることを決意します。新天地を求めて旅する彼らが出会うさまざまな危険と冒険、その中にリーダーシップ、友情、勇気、自由、決断、不屈の意志、力を合わせること、といった要素が見事に織り交ぜられて語られており、世界的なベストセラーになったのもうなづけます。

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2009年2月 5日

ハヤ号セイ川をいく

◇◆第519回◆◇

406147135Xハヤ号セイ川をいく (講談社青い鳥文庫 (75‐1))
フィリパ=ピアス  E=アーディゾーニ (絵)  足沢 良子(訳)
講談社 1984-01

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カヌーで宝探しに向かう少年二人の友情と冒険を描く
『トムは真夜中の庭で』で有名なフィリパ=ピアスのデビュー作です。舞台はイングランドのケンブリッジシャー、主人公のデビッド=モスの家の庭はセイ川につながっており、夏休みが始まったばかりのある朝、そこに3mもあるカヌーが流れ着いているのを発見します。カヌーの持主を探して川を遡ったデビッドは、カヌーの持主のアダム=コドリングと知り合って、友だちになります。

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2008年12月28日

Farmer Boy

◇◆第513回◆◇

0064400034Farmer Boy (Little House-the Laura Years)
Laura Ingalls Wilder   Garth Williams
Trophy Pr 1953-06

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ローラの夫アルマンゾの少年時代を綴る
大草原の小さな家シリーズの三冊目。本書では、後にローラの夫となるアルマンゾ・ワイルダーの9歳の一年間を描いています。アルマンゾはニューヨーク州マローン郊外の農場で育ちます。地図で調べるとカナダ国境に程近く、ニューヨークよりもモントリオールの方がよほど近い寒冷地です。アルマンゾはロイヤルという兄とエリザ・ジェーン、アリスという姉がいる四人兄弟の末っ子です。

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2008年12月12日

Little House on the Prairie

◇◆第510回◆◇

0060000465Little House on the Prairie (Little House-the Laura Years)
Laura Ingalls Wilder Garth Williams
Harperfestival 2002-10-01

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西部へ向かうインガルス一家
大草原の小さな家シリーズの二冊目です。ウィスコンシンの森に住む人たちが増え、狩猟の獲物も少なくなったことから、父さんはもっと人の少ない西部へ行くことを決意します。幌馬車に身の回りの道具を積み、ウィスコンシンの森を旅立ってミネソタ、アイオワ、ミズーリ、カンザスを抜け、長い旅の末、北米大草原地帯のインディアン居留地の一画に新しい住居を建てます。

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2008年11月13日

Little House in the Big Woods

◇◆第505回◆◇

0064400018Little House in the Big Woods
Laura Ingalls Wilder Garth Williams
HarperCollins 1994-01-07

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ウィスコンシンの森の開拓民一家の歳時記
大草原の小さな家シリーズの最初の一冊です。主人公のローラは1867年アメリカ・ウィスコンシン州の森の中にある小さな開拓小屋で生まれます。この物語はそれからほぼ60年後に書かれました。この本の中でのローラは恐らく5歳前後でしょう。両親と姉のメアリー、妹でまだ赤ん坊のキャリー、犬のジャック、猫のブラックスーザンと暮らす森での一年がいきいきと綴られています。ウィスコンシンの森の開拓民一家の歳時記として読める物語です。

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2008年1月10日

ヴォイス 西のはての年代記 (2)

◇◆第438回◆◇

4309204783ヴォイス 西のはての年代記 (2)
アーシュラ K.ル・グウィン; 谷垣 暁美
河出書房新社 2007-08-22

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智慧に至る成長の物語
「西のはての年代記」第二巻の舞台はアンサル国の首都アンサル市。第一巻からは20年ほどの時が流れています。アンサルはかつて平和で豊かな国でしたが、オルド人の侵略を受けて破壊され、今ではその支配の下にあります。主人公のメマーはアンサルの名家であるガルヴァ家の血をひく少女です。不幸な占領の歴史を物語るように、メマーはオルド人の血をもひいています。

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2008年1月 6日

◇◆第436回◆◇

4062096455穴 (ユースセレクション)
ルイス・サッカー 幸田 敦子 Louis Sachar
講談社 1999-10

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さえない少年のさえた物語
Stanley Yelnats 主人公の少年の名前です。左から読んでもスタンリー・イェルナッツ、右から読んでもスタンリー・イェルナッツ。この面白い名前を持つ少年の家族は代々ツイていません。それは豚泥棒のひいひいじいさんのせい、ということになっているのですが、この物語でも、主人公のスタンリーは無実の罪で矯正キャンプに送られることになります。

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