近代日本史

2009年6月28日

化城の昭和史

◇◆第582回◆◇

4122027179化城の昭和史―二・二六事件への道と日蓮主義者 (中公文庫)
寺内 大吉
中央公論社 1996-10

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日蓮主義者と軍国ファシズムの関係を描く
五・一五事件や二・二六事件、満州建国といった戦前の昭和史に残るテロ、軍国ファシズムの一連の出来事の中心にいた人々の多くが、日蓮主義者と呼ばれる熱狂的な一種の宗教原理主義者でした。戦前の昭和史について書かれた本は数多く出ていますが、この点に触れたものはほとんどない、と著者は述べています。本書は小説の形をとっていますが、ほぼノンフィクションに近く、当時の中心人物たちの思想・行動を細かく追って、日蓮主義という新たな視点から昭和史の前半部を描いています。

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2008年10月11日

映画が語る昭和史

◇◆第500回◆◇

4270003928映画が語る昭和史 いつもヒロインたちがいた
川西 玲子
ランダムハウス講談社 2008-08-07

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映画はいつも時代を見つめ、時代を描いてきた
日本映画を題材に昭和史を考察してみることを勧めています。映画好きにも歴史好きにもあらたな視点を提供してくれる本でしょう。「もはや想像することさえできなくなってしまった戦前の日本」と著者は「はじめに」に書いています。確かに、いくら歴史の本やノンフィクションを読んでも、軍国主義や戦争、飢えというものになかなか実感が伴いません。しかし、映画ならあの時代をもう少し肌近くに感じることが可能かもしれないのです。

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2008年9月23日

敗北を抱きしめて(下)

◇◆第497回◆◇

4000244213敗北を抱きしめて 下 増補版―第二次大戦後の日本人
John W. Dower 三浦 陽一 高杉 忠明
岩波書店 2004-02

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天皇の戦争責任は問われなかった
下巻では、日本国憲法制定、東京裁判、戦後の経済復興について描かれています。表紙に使われているのは東京裁判で被告席にいるA級戦犯たちの様子です。A級戦犯7人が絞首刑になりましたが、天皇の戦争責任が問われることはありませんでした。マッカーサーは日本に来る前からそう決めていたようです。連合国側にはマッカーサーと違う意見の持主も大勢いました。しかし、昭和天皇は訴追されることはおろか退位すら要求されませんでした。

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2008年9月14日

敗北を抱きしめて (上)

◇◆第496回◆◇

4000244205敗北を抱きしめて 上 増補版―第二次大戦後の日本人
John W. Dower 三浦 陽一 高杉 忠明 (訳)
岩波書店 2004-02

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敗戦の未曾有の荒廃の中で
1945年の敗戦から占領が終わる1952年までの日本を描いたノンフィクションです。数多くの写真を掲載し、当時の空気を伝えようとしています。表紙に使われているのは、砂漠のようになった被爆後の広島の街中を歩く日本人兵士の姿です。あのような無謀な戦争へなぜ突き進んでいったのかということは不思議ですが、それと同じように戦後の急速な復興の背景にあったのはなんだったのか、というのも不思議なことでした。

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2007年3月23日

日本の200年(下)

◇◆第384回◆◇

4622072475日本の200年〈下〉―徳川時代から現代まで
アンドルー ゴードン Andrew Gordon 森谷 文昭
みすず書房 2006-10

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世界の人が読める日本近現代史
下巻では、昭和恐慌から開戦、敗戦と占領、高度経済成長、石油ショック、バブル崩壊、20世紀の終わりまでを描いています。日本を論じるとき、「日本特殊論」が持ち出されやすいのですが、著者はその立場をとりません。日本の近代史も世界的な近代化が日本という地域でとったひとつの形であるととらえています。

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2007年2月19日

日本の200年(上)

◇◆第378回◆◇

4622072467日本の200年〈上〉―徳川時代から現代まで
アンドルー ゴードン Andrew Gordon 森谷 文昭
みすず書房 2006-10

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アメリカの歴史家による日本の近代史
日本の江戸時代後半期から現代までの歴史をアメリカ人の歴史家が記したものです。上巻では徳川幕府の成立過程と徳川幕藩体制にもふれ、江戸時代から幕末、1920年代あたりまでを描いています。歴史の流れに焦点をあて、登場する個人への記述はごくあっさりしたものですが、広い視野と深い見識にたって書かれていることがわかる良書です。

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2006年11月17日

昭和天皇と戦争

◇◆第348回◆◇

4562035730昭和天皇と戦争―皇室の伝統と戦時下の政治・軍事戦略
Peter Wetzler ピーター ウエッツラー 森山 尚美
原書房 2002-11

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文献資料から読み解く昭和天皇
著者は1943年アメリカ生まれの歴史学者です。日本に留学し、日本語と日本史、日本思想史を学んでいます。昭和天皇を扱った本は数多くありますが、本書は歴史書として書かれており、単なる憶測を排し、文献に基づいて昭和天皇がどのように戦争にかかわったかについて述べられています。

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2006年11月 9日

昭和史 戦後篇 1945-1989

◇◆第345回◆◇

4582454348昭和史 〈戦後篇〉 1945-1989
半藤 一利
平凡社 2006-04-11

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敗戦からバブルまで、冷戦の時代の昭和史
敗戦から占領時代、安保闘争、高度経済成長、さらにはバブルの時代まで昭和の後半3分の2を扱っています。世界情勢と比べていまさらながらに驚いたのですが、戦後の昭和時代はぴったり冷戦と重なっています。本書の前半のハイライトは天皇の戦争責任問題と日本国憲法制定です。

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2006年11月 6日

昭和史 1926-1945

◇◆第343回◆◇

4582454305昭和史 1926-1945
半藤 一利
平凡社 2004-02-11

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破滅に至る20年の歴史
敗戦までの昭和史を描いています。著者は昭和5年(1930)生まれ、自身の記憶と当時の新聞記事、著名人の日記などをもとに日本が勝てるはずのない戦争に突き進み、やがて破滅を迎えるまでの日々を描いています。戦争の時代の序章はすでに大正時代から始まっています。

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2006年9月16日

日本の戦争

◇◆第325回◆◇

4093892415日本の戦争―なぜ、戦いに踏み切ったか?
田原 総一朗
小学館 2000-10

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世論に迎合して始まった戦争
副題になっている「なぜ、戦いに踏み切ったか?」は、終戦時国民学校5年生だった著者がずっと抱いてきた疑問でした。その答えを求め明治維新にまで遡り、日本が近代国家として生まれやがて絶望的な戦争へはまり込んでいく過程を丹念に追っています。そして、「あの戦争が始まった原因は、軍部の独走ではなく、世論迎合だった」と結論づけています。

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