心理学

2016年11月29日

ファスト&スロー

◇◆第892回◆◇

4150504105ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ダニエル・カーネマン 村井章子
早川書房 2014-06-20

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認知的錯覚はなぜ起きるのか
私たちは避けようのない認知的錯覚を持っています。合理的に考えている、と思いたいのですが、実態は必ずしもそうではありません。日常生活が支障なく送れる程度には合理的ではあるものの、常に完璧に合理的ではない、ということを本書ではさまざまな例を出しながら明らかにしています。

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2014年9月 8日

スタンフォードの自分を変える教室

◇◆第876回◆◇

4479793631スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル 神崎 朗子
大和書房 2012-10-20

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意志力を磨いて自分を変える
この本には意志力を磨くための方法が具体的に記されています。受講者の「行動」を激変させたスタンフォード大学の人気講座を書籍化したものです。意志の力を著者は「やる力」「やらない力」「望む力」の三つの力であると定義しています。それらはものごとを先伸ばしにする(やる力不足)、誘惑や依存症に苦しむ(やらない力の不足)、やる気が出ない(望む力の不足)として、すべての人を苦しめるのです。意志力を磨けば、人生が変わる。だから「自分を変える教室」なのです。

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2012年5月23日

トラウマの現実に向き合う

◇◆第752回◆◇

4753310140トラウマの現実に向き合う―ジャッジメントを手放すということ
水島 広子
岩崎学術出版社 2010-12-01

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ジャッジメントを手放すということ
著者は対人関係療法を専門とする精神神経科の医師です。本書は治療にあたる専門家を第一の読者として書かれています。しかし、私はサブタイトルの「ジャッジメントを手放すということ」にひかれて本書を手に取りました。専門用語はほとんどなく、一般読者でも十分に読みこなせる内容です。ジャッジメントがいかに関係を阻害し、自分も相手も傷つけるものであるか、ということがわかります。そして、人がその罠に陥りやすいということも理解できます。

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2011年12月22日

嗜癖する社会

◇◆第725回◆◇

4414429080嗜癖する社会
アン・ウィルソン・シェフ  斎藤 学 (監訳)
誠信書房 1993-03-01

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嗜癖(アディクション)とは何か
嗜癖と中毒は異なります。中毒とは毒にあたることであり、毒を摂取した結果として生じる好ましからざる生理的変化です。中毒には主体(個人)が好んでそうしたかどうか、は関係がありません。しかし、嗜癖は主体の意志が問題になります。その中毒が主体に陶酔(快体験)として感じられて、嗜癖が生じるのです。嗜癖には、ある種の行為に関する強迫観念が共通しています。簡単に言えば「それをせずにはいられない」ということでしょうか。

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2011年3月27日

回復力

◇◆第708回◆◇

4062879794回復力~失敗からの復活 (講談社現代新書)
畑村 洋太郎
講談社 2009-01-16

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失敗を受け止め回復するために
失敗学を提唱している著者が、失敗をどう受け止め、回復するかについて述べています。失敗とは、「人の行動や選択の結果、その人や周囲の望まない結果になること」、です。人は誰でも失敗するものであり、人は大きな失敗からすぐに立ち直れるほど強くはありません。失敗の結果、うつ状態になったり、自殺に追い込まれたりすることもあります。そうならないためにどのように失敗とつきあえばいいのか、のヒントが書いてあります。

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2010年7月 3日

孤独であるためのレッスン

◇◆第670回◆◇

4140019271孤独であるためのレッスン (NHKブックス)
諸富 祥彦
日本放送出版協会 2001-10

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孤独は創造的な能力である
孤独は、避けるべき否定的なものではなく、現代をタフに、しなやかに、かつクリエイティブに生きていくために不可欠の”積極的な能力”である、と著者は冒頭に記しています。ここでいう孤独は英語ではsolitudeといわれる創造的な楽しい「ひとり」です。しかし、日本では孤独というとlonelinessの寂しい、つらい満たされないという一面的なイメージがとても強く、何が何でも避けるべきものというとらえ方をされがちです。しかし、人間が自分らしくあろうとしたり、創造性の源とつながろうとした場合、孤独は欠かせない根本要素です。

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2009年8月28日

無意識と出会う

◇◆第608回◆◇

4901510215無意識と出会う ユング派のイメージ療法―アクティヴ・イマジネーションの理論と実践1
老松克博
トランスビュー 2004-05

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アクティヴ・イマジネーションの具体的実践方法
アクティヴ・イマジネーションは、無意識の内奥に隠された「超越的な癒しと救いの力」を引き出すために無意識と直接やりとりできる他に類を見ない方法です。ユングが発展させたこの方法は私たちが日頃なにげなくおこなっている想像という行為が持つ可能性を徹底的に追求します。この生きにくい時代において、上っ面の癒しやその場しのぎの救いに飛びつくのではなく、じっくり自分自身の中にある思いや価値や力を見出していくための切り札ともいえる方法なのです。

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2009年8月26日

創造する無意識

◇◆第607回◆◇

4582761402創造する無意識―ユングの文芸論 (平凡社ライブラリー)
Carl Gustav Jung   松代洋一(訳)
平凡社 1996-03

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無意識が創造に与える影響
無意識というものが芸術創造に与える影響について考察したユングの論文集です。現在の芸術論に大きな影響を与えており、天才的芸術家がときに悲劇的な生涯を送らざるをえないことの理由の一端が理解できます。さらに、後半では一般人が創作活動を通じて無意識領域を知り、それを自身の生活の問題点の解決に活かしていく必要性と方法論にも言及しています。

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2009年8月17日

アクティヴ・イマジネーションの世界

◇◆第605回◆◇

4422112449アクティヴ・イマジネーションの世界―内なるたましいとの出逢い
バーバラ ハナー Barbara Hannah
創元社 2000-02

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自分自身の無意識と対話する技法
アクティヴ・イマジネーションとは、意識と無意識が対峙して折り合っていくためのユング心理学最強の技法です。これはユングによって発見されましたが、人類の黎明期から神々のことを知るために用いられてきた瞑想の一形態です。「天の王国はあなた方のなかにある」とキリストが言ったように、自分の内にある未知なるものを探索する方法なのです。この技法を始めるにあたってはっきりさせておかなければならないのは、私たちが自分自身について知っていることが自分というもののすべてではない、ということです。

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2009年5月12日

影の現象学

◇◆第564回◆◇

4061588117影の現象学 (講談社学術文庫)
河合 隼雄
講談社 1987-12

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無意識のなかに潜む「影」とは何か
日本を代表するユング派心理学者が、無意識のなかでも特に「影」に的を絞ってわかりやすく書いたものです。影はすべての人間にあり、それは「もう一人の私」ともいうべき意識下の自分とみることができる、と著者は書いています。自分が気がついていないだけでなく、都合が悪いために忘れて意識下に押し込んでいる何か、という面も持っているようです。従って、しばしば意識を裏切ります。ある意味危険な存在でもあり、非常に魅惑的な存在でもあります。

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