探検記・旅行記

2014年9月 7日

大西洋漂流76日間

◇◆第875回◆◇

4150502307大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)
スティーヴン キャラハン Steven Callahan
早川書房 1999-05

by G-Tools

海洋史上稀な長期漂流の記録
1982年2月4日の夜、嵐の大西洋で著者の乗る小型ヨットはクジラに衝突され沈没。救命イカダに逃れた彼の手に残ったのはわずかな水と食糧、ほんの数えるほどの道具だけでした。漂流者の90%が遭難からわずか三日で命を落とすといわれています。そんな中、著者は強靭な精神力であらゆる困難を乗り切り、生還します。次々と襲う危機、餓えと渇き、船と遭遇しながら発見してもらえない絶望感、それらとたったひとりで闘いながら、漂流をどのように乗り切ったのかを描いています。

続きを読む "大西洋漂流76日間" »

2014年8月29日

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか

◇◆第874回◆◇

4635047466トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか (ヤマケイ文庫)
羽根田治 飯田肇 金田正樹 山本正嘉
山と渓谷社 2012-07-23

by G-Tools

大量遭難の背景にあったもの
2009年7月16日、北海道の大雪山系・トムラウシ山で18人のツアー登山者のうち8人が亡くなるという夏山登山史上最悪の遭難事故が起きました。低気圧の通過で山は台風並みの暴風雨となり、その中でガイドも含む8人が次々と倒れていきました。本書はなぜそのような状況に陥ったのかを検証し、今後の教訓を浮かび上がらせようとしています。大量遭難の現場の状況を描くとともに、気象状況、医学・生理学分野の専門家も執筆陣に加わって、単なるドキュメントではないものになっています。

続きを読む "トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか" »

2014年8月22日

脱出記

◇◆第872回◆◇

4863329245脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち (ヴィレッジブックス)
スラヴォミール ラウイッツ Slavomir Rawicz
ヴィレッジブックス 2007-11

by G-Tools

砂漠とヒマラヤを越えて
第二次世界大戦中、ポーランド陸軍騎兵隊中尉だった著者は、ソ連当局に覚えのないスパイ容疑で逮捕されます。拷問されても罪は認めませんでしたが、ソ連側の形式的裁判で25年の強制労働との判決を受け、シベリアへ送られます。家畜車両に詰め込まれて、モスクワからイルクーツクまで輸送。その後は他の囚人たちと鎖につながれ、強制収容所まで千キロ以上を歩かされました。収容所について最初の労働は自分たちが寝起きする収容棟を建てることでした。

続きを読む "脱出記" »

2014年8月 9日

我が足を信じて

◇◆第871回◆◇

4286112675我が足を信じて 極寒のシベリアを脱出、故国に生還した男の物語
著者:ヨーゼフ・マルティン・バウアー 訳者:平野 純一
文芸社 2012-05-01

by G-Tools

戦争捕虜シベリアからの脱出行
これは、シベリアの東の端にある収容所から脱走し、故郷のドイツまで3年をかけて逃げ帰った将校の体験を基にした小説です。主人公のフォレルは第二次世界大戦で、ドイツの落下傘部隊の隊長として当時のソビエトとの前線に派遣され、捕虜になります。戦後、シベリアでの重労働25年という刑の宣告を受けました。何か特別な犯罪をおかしたというわけではなく、恣意的なソビエトの裁判によってそういうことにされてしまったのであり、こうした状況に追い込まれた捕虜は大勢いました。

続きを読む "我が足を信じて" »

2013年11月25日

処女峰アンナプルナ

◇◆第832回◆◇

4635047431処女峰アンナプルナ 最初の8000m峰登頂 (ヤマケイ文庫)
モーリス・エルゾーグ 近藤等
山と渓谷社 2012-06-22

by G-Tools

初の八千メートル峰登頂の記録
1950年6月3日、モーリス・エルゾーグを隊長とするフランス遠征隊はアンナプルナ第1峰(8,091m)の初登頂に成功します。人類初の8,000m峰登頂でした。頂に立ったエルゾーグとルイ・ラシュナルは下山途中に遭難し、凍傷を負って生死の境をさまようことになります。本書はその登頂に向けての描写と遭難、生存をかけた壮絶な脱出行の模様を、エルゾーグが帰還後、凍傷の治療手術を受けながら、口述によって記したものです。登頂したふたりは、あわせて30本の手足の指を凍傷によって失いました。

続きを読む "処女峰アンナプルナ" »

2013年8月13日

世界よ踊れ

◇◆第815回◆◇

434441506X世界よ踊れ―歌って蹴って!28ヶ国珍遊日記 アジア・中東・欧州・南米篇 (幻冬舎文庫)
ナオト・インティライミ
幻冬舎 2010-07

by G-Tools

バックパッカーミュージシャン世界を歩く
著者はミュージシャン。大学在学中にメジャーデビューしたもののほとんど売れず、一時引きこもりになっていたとか。それが一念発起して、世界を回る旅に出ました。「2010年にワールドツアーをやるための下見」というのがその名目。アジア、中東、欧州、南米、北米の計28ヶ国を回った旅日記が本書です。ワールドツアーとまではいきませんが、2010年にはメジャーレーベルからシングルを発表。その年の12月には日本武道館でのワンマンライブを成功させています。

続きを読む "世界よ踊れ" »

2013年5月 2日

デルスウ・ウザーラ

◇◆第802回◆◇

4582800556デルスウ・ウザーラ―沿海州探検行 (東洋文庫 (55))
アルセーニエフ 長谷川 四郎
平凡社 1965-11

by G-Tools

人物、動植物、風景、すべての描写が素晴らしい
本書は1907年5月から翌年1月にかけて、アルセーニエフが沿海州を探検した記録です。題名はそのとき同行した現地人ゴリド族(現在ではナナイという)の猟師の名前です。探検記の中心的存在として、さまざまな困難の中で著者を助け、探検を成功に導きます。この探検に先立つ一年前のウスリー地方探検に同行し、著者は彼に深い信頼を置いていました。

続きを読む "デルスウ・ウザーラ" »

2009年9月10日

イザベラ・バードの日本紀行 (下)

◇◆第613回◆◇

4061598724イザベラ・バードの日本紀行 (下) (講談社学術文庫 1872)
イザベラ・バード  時岡 敬子(訳)
講談社 2008-06-10

by G-Tools

蝦夷のアイヌの村へ
下巻では、まだほとんど手付かずの自然が残っていた北海道に渡り、函館から森さらに白老、苫小牧を通ってアイヌの村を訪ねています。その後、東京へ船で戻り、晩秋の関西を訪れ、大阪、神戸、京都、奈良、伊勢を次々と精力的に旅して回ります。バードは背中に持病を抱えていてその療養のために旅を始めており、本書でも「私にもう少し体力があれば」と書いていますが、現代人からは想像できないほどの体力・精神力の持主だと思えます。

続きを読む "イザベラ・バードの日本紀行 (下)" »

2009年9月 8日

イザベラ・バードの日本紀行 (上)

◇◆第612回◆◇

4061598716イザベラ・バードの日本紀行 (上) (講談社学術文庫 1871)
イザベラ・バード 時岡 敬子
講談社 2008-04-10

by G-Tools

維新直後、英国人女性の日本北方紀行
1878年、横浜に上陸した英国人女性イザベラ・バードは、いまだ欧米人が訪れていない内陸ルートを使った東京--函館間の旅を敢行します。新潟以北の内陸部は馬が通れるほどの道路しかなく、地図にも道が記されていません。現地で情報を集めながらの旅は天候、生活習慣、食べ物、いずれをとっても英国人女性には過酷なものでしたが、バードは驚くばかりの強い意志と行動力でこの大紀行を成し遂げています。記録は詳細であり、観察力もまた驚くべきものです。

続きを読む "イザベラ・バードの日本紀行 (上)" »

2009年9月 1日

イザベラ・バードを歩く

◇◆第609回◆◇

4779114322イザベラ・バードを歩く―『日本奥地紀行』130年後の記憶
釜澤克彦  彩流社 2009-06

by G-Tools

『日本奥地紀行』の道を辿る
明治11(1878)年の6月から9月にかけて、英国人女性イザベラ・バードは東京から東北をとおり北海道のアイヌ部落まで旅をしました。その記録はまだほとんど西洋人が訪れていない時期の日本を知る貴重な記録として今も読み継がれています。本書はその記録をもとに著者がバードの足跡をたどったものです。バードは当時47歳、旅行家として名声を確立しており、特別な許可を得てこの大旅行を敢行しています。

続きを読む "イザベラ・バードを歩く" »

より以前の記事一覧