日本美術

2013年1月11日

広重の東海道五拾三次旅景色

◇◆第785回◆◇

4795919046広重の東海道五拾三次旅景色―天保懐宝道中図で辿る (古地図ライブラリー (5))
堀 晃明
人文社 1997-04-01

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広重の三つの東海道五拾三次シリーズ
広重は東海道五拾三次のシリーズを数多く制作しています。最も有名であり傑作とされるのが、天保5年(1834)の保永堂版(広重38歳)のもので、単に広重の東海道五拾三次と聞いて誰もがイメージするのはこのシリーズです。全宿場がそろっているものだけで16種制作しており、本書では天保13年(1842)の行書版(46歳)、嘉永2年の隷書版(53歳)を掲載しています。

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2013年1月 6日

吉田博 全木版画集

◇◆第784回◆◇

4872421213吉田博 全木版画集
吉田 博
阿部出版 1996-10

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吉田博の全木版画を堪能する
吉田博(1876~1950)という洋画家・版画家の名を知ったのは、『浮世絵に見る日本ふるさと百景』(河出書房新社)を通じてでした。その利尻岳を描いた版画の独特な美しさ、ぜひもっと多くの作品を見てみたいと思いました。明治以降、浮世絵系木版画はしだいに廃れていきました。その中にあって、新たに画家、彫師、摺師の共同作業による新しい木版画を作ろうとする新版画という動きが大正期にありました。吉田博はその代表的な作家です。

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2012年12月26日

広重の大江戸名所百景散歩

◇◆第783回◆◇

479591902X広重の大江戸名所百景散歩―江戸切絵図で歩く (古地図ライブラリー (3))
堀 晃明
人文社 1996-03

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『名所江戸百景』と『江戸切絵図』を楽しむ
広重晩年の大作シリーズ『名所江戸百景』を全作収録しています。この浮世絵風景版画のシリーズは、1856年(安政3)~1858(安政5)にかけ、広重60~62歳の時に制作されました。広重はこのシリーズを終えるとほぼ同時に亡くなっていますので、遺作といえます。本書は版画に嘉永・慶応『江戸切絵図』という古地図と現在の地図をあわせて掲載し、広重がどこの風景を描いているのか理解できるようになっています。

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2012年12月19日

図説 浮世絵に見る日本ふるさと百景

◇◆第781回◆◇

4309761747図説 浮世絵に見る日本ふるさと百景 (ふくろうの本/日本の文化)
藤原 千恵子
河出書房新社 2011-08-11

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浮世絵を中心とした日本の原風景
題名は「浮世絵に見る」となっていますが、取り上げられている絵は浮世絵のみではありません。広重や北斎の絵はもちろん入っていますが、それ以外に江戸から明治以降の絵も取り上げられ、広く近代の日本人が日本の風景をどのように描いてきたのかを知ることができます。明治以降の木版画として、吉田博、川瀬巴水らの作品が取り上げられており、江戸時代との違いを楽しむこともできます。

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2012年3月29日

図説 浮世絵に見る日本の二十四節気

◇◆第742回◆◇

4309761445図説 浮世絵に見る日本の二十四節気 (ふくろうの本/日本の文化)
藤原 千恵子
河出書房新社 2010-06-19

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繊細で変化に富んだ日本の四季を二十四節気と浮世絵で楽しむ
二十四節気は、月の運行をもとにした太陰暦の季節のずれを正すために太陽の動きをもとに考案されました。一年を二十四等分に区切り、それぞれに季節の特徴を表す名がついています。日本には七世紀に中国から暦とともに伝わり、太陰暦と二十四節気が合体した太陰太陽暦が使われるようになります。日本の気候風土とは異なることによる矛盾がありましたが、何度も修正して1844年(天保15年)、現在旧暦といわれる最も正確な天保暦が完成しました。

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2011年12月 8日

やさしく読み解く日本絵画

◇◆第724回◆◇

4106021064やさしく読み解く日本絵画―雪舟から広重まで (とんぼの本)
前田 恭二
新潮社 2003-08

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中世から近世の代表的絵師
15世紀から19世紀までの日本を代表する絵師11人を取り上げて解説しています。収録されているのは、雪舟、狩野永徳、長谷川等伯、俵屋宗達、尾形光琳、英一蝶、池大雅、円山応挙、伊藤若冲、葛飾北斎、歌川広重です。ひとりあたり10ページほどをさき、時代背景と生涯をおりまぜながら代表作はカラーで入れられています。中世から江戸にいたる日本絵画を知るには手ごろな入門書でしょう。

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2011年7月22日

日本の図像―花鳥の意匠

◇◆第716回◆◇

4894446243日本の図像―花鳥の意匠
ピエ・ブックス 2007-09-21

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花鳥画の代表作を堪能
日本の花鳥画は中国の影響の下に始まり、やがて日本独自の発達を遂げて現代に至っています。本書は室町時代末期あたりから昭和に及ぶ時代を代表する画家の作品を見開きで鑑賞できるように編集されています。モノクロとカラーが交互に入っており、文章はほとんどなく、絵画鑑賞に重点がおかれています。花鳥は工芸との関係も深いことから、後半三分の一は染織、漆工、金工、陶磁の分野での作品も紹介されています。

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2010年8月17日

広重と歩こう東海道五十三次

◇◆第684回◆◇

4096070017広重と歩こう東海道五十三次 (アートセレクション)
安村 敏信  岩崎 均史
小学館 2000-03

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東海道を浮世絵でたどる
徳川家康が東海道を制定してから400年。19世紀半ばの東海道の様子を歌川広重の浮世絵でたどります。広重の代表作であり、いずれもどこかで目にしたことがある、知るはずもない昔なんだけど懐かしい、そういう絵が並んでいます。広重の風景画は彼の人柄も反映してなのか、ほのぼのと穏かな空気が感じられます。東海道を旅する人たち、大名行列、巡礼、駕篭かき、相撲取り、川渡し、茶店、などの様子がいきいきと描かれ、芸術作品であると同時に写真のなかった時代の姿を伝える貴重な資料になっています。

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2010年8月14日

十二世紀のアニメーション

◇◆第683回◆◇

4198609713十二世紀のアニメーション―国宝絵巻物に見る映画的・アニメ的なるもの
高畑 勲
徳間書店 1999-03

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日本のマンガ&アニメ文化のルーツ
日本を代表するアニメーション映画監督が、日本のマンガ&アニメ文化の興隆の原点を中世絵巻物に見出し、具体的に実例を交えて語っています。外国で、なぜ日本でこれほどマンガやアニメが発達したのかときかれたとき、あれこれ説明するよりも『信貴山縁起絵巻』や『伴大納言絵詞』の縮刷版を見せる方が早いといいます。本書の表紙には主に『伴大納言絵詞』の中のさまざまな人物画が使われています。躍動する人々の表情をいきいきととらえたこれらの絵は、そのまま現代のマンガの一場面と言っても十分通用します。

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2010年8月13日

千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景

◇◆第682回◆◇

409607022X千変万化に描く北斎の冨嶽三十六景 (アートセレクション)
大久保 純一
小学館 2005-08

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<富嶽三十六景>全図を楽しむ
北斎の<富嶽三十六景>は実は全部で四十六図あります。これらは一度に出版されたのではなく、数年に渡って断続的に出版されたものです。有名な「神奈川沖浪裏」や「凱風快晴」などはよく知られていますが四十六図すべてを見る機会はあまり無いでしょう。本書ではそれらすべてを見開きページで見ることができます。大判錦絵であるこれらの作品は約39cm×26cmの大きさであり、原画に近い雰囲気で絵を楽しむことができるでしょう。

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