社会・政治

2017年8月23日

戦争にチャンスを与えよ

◇◆第898回◆◇

4166611208戦争にチャンスを与えよ (文春新書)
エドワード ルトワック Edward N. Luttwak
文藝春秋 2017-04-20

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戦争という現象を倫理道徳論を抜きに見る
刺激的な題名で、「戦争反対」が絶対善とされる日本では拒否感を持つ人も多いでしょう。ただ、著者は戦争を純粋に「現象」として見ていると述べています。戦争がなぜ起こるのか、悲しいながら、原始時代から今にいたるまで世界のどこかで戦争は続いていますから、これは人間の本性に根ざしたものだと考えた方が現実的です。ただ戦争反対と叫んでも戦争がなくならないならば、戦争の本質について考え、それをうまく活用することを説いたのが本書です。

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2013年10月25日

社会の真実の見つけかた

◇◆第826回◆◇

4005006736社会の真実の見つけかた (岩波ジュニア新書)
堤 未果
岩波書店 2011-02-19

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情報の中から真実を見極めるために
本書は、おもにアメリカ社会の戦争、教育、選挙を題材に政府の政策とマスメディアの報道のあり方に関して述べ、「社会の真実」を見つけるににはどうすればよいか、を書いています。さまざまな情報があふれていながら、逆に情報の洪水の中で、真実は見えにくくなっています。メディアが大声で繰り返す情報に偏りがないか、誰がどういう意図でその情報を流しているのかということを常に考えて情報を見る視点を養っていないと、情報に操られるだけの存在になってしまいます。

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2013年6月25日

機械との競争

◇◆第808回◆◇

4822249212機械との競争
エリク・ブリニョルフソン アンドリュー・マカフィー 村井章子
日経BP社 2013-02-07

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コンピュータの躍進は止まらない
リーマンショックの後遺症から立ち直ったアメリカで、景気が回復しているのに雇用が増えないという現象が起きています。その原因を著者たちはコンピュータの躍進で人間の仕事が少なくなっているからだと分析し、その傾向はこれからも加速度がついていくと述べています。その最大の要因はコンピュータの指数関数的な進歩です。これがどれほど驚異的な効果を持つかを、ムーアの法則とチェス盤の法則のお話をあげて説明しています。

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2009年8月 2日

ベーシック・インカム

◇◆第601回◆◇

4768469639ベーシック・インカム―基本所得のある社会へ
ゲッツ・ W.・ヴェルナー 渡辺一男(訳) 小沢修司(解題)
現代書館 2007-11

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万人に真の自由と生存権を
ベーシック・インカム構想とは、生活に最低限必要な所得をすべての個人に無条件で支給することによって「万人の真の自由」と無条件な生存権を保証しようという構想です。ベーシック・インカムの支給によって現行の社会保障給付(保険、手当、扶助)のうち現金給付部分(年金、生活保護、失業保険など)が廃止されます。個人所得税制における所得控除は不要になり、福祉給付で不可欠であった資力調査に用いられる行政経費も不要になります。

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2008年10月14日

経済倫理=あなたは、なに主義?

◇◆第501回◆◇

4062584190経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ 419)
橋本 努
講談社 2008-08-08

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自分は何主義者か調べてみよう
世の中にはさまざまなイデオロギーが溢れています。高度に発達した市場社会である現代のイデオロギーは経済と密接に関係しています。極端な右翼や左翼といった人は別にして、自分がいったい何主義の立場かと聞かれたとき、実はよくわからないという人が多いのでは、と著者はいいます。本書のユニークな点は、いくつかのアンケートを通して自分の価値観を明らかにでき、それが現代社会では何主義にあたるのかを知ることができるという点です。

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2008年5月31日

セキュリティはなぜやぶられたのか

◇◆第470回◆◇

4822283100セキュリティはなぜやぶられたのか
ブルース・シュナイアー 井口 耕二(訳)
日経BP社 2007-02-15

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トレードオフを考える
著者は暗号学者でコンピュータセキュリティの世界的権威です。カード犯罪からコンピュータウイルス、フィッシング詐欺、テロ対策まで幅広くセキュリティという問題に関して論じています。最初に911のテロとその後のアメリカ政府と国民の対応について述べ、セキュリティではトレードオフを考えることが非常に大事であることを示しています。トレードオフを考えない見せかけのセキュリティは逆にセキュリティを低下させる”セキュリティ芝居”にすぎません。

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2007年3月 4日

金持ち父さんの予言

◇◆第381回◆◇

4480863532金持ち父さんの予言
ロバート・キヨサキ シャロン・レクター 白根 美保子
筑摩書房 2004-03-23

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間もなくやってくる財政的危機の時代を乗り切るために
金持ち父さんシリーズのひとつです。ここでは人口の高齢化と確定拠出年金制度の問題点から説き起こし、間もなくアメリカとアメリカ人が直面する大きな財政的危機を予言しています。制度がかなり違う点をさしいひいても、高齢化や年金の問題は、日本でも大きな問題として私たちの生活にのしかかってくるでしょう。日本の総人口の5%強を占めるベビーブーム世代が完全に退職者の仲間入りをするのが2007年、人口ピラミッド(もはや形はピラミッドとは程遠い)を見ればよくわかりますが、誰が政治の舵取りをしようが、今のままの年金制度がいずれたちゆかなくなるのは明らかです。

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2007年2月27日

フラット化する世界(下)

◇◆第380回◆◇

4532312809フラット化する世界(下)
トーマス・フリードマン 伏見 威蕃
日本経済新聞社 2006-05-25

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フラット化の中でどのような能力を身につけていくべきか
下巻ではフラット化に対処するために何をすればいいか、が語られています。フラット化は旧来のミドルクラスを直撃しますから、その影響をあまり受けずにすむ「無敵の人」になるか、「地域に密着した人」になるか、新ミドルクラスを目指すかです。無敵の人はイチローのような人、地域に密着した人は近所の美容院や歯医者、清掃員などにあたり、職種はさまざまですが、人が生活していく場に必ずいくらかは必要な人たちです。インターネットでアウトソーシングされにくい仕事、ということになります。

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2007年1月31日

フラット化する世界(上)

◇◆第372回◆◇

4532312795フラット化する世界(上)
トーマス・フリードマン 伏見 威蕃
日本経済新聞社 2006-05-25

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本当の大変革はまだ始まったばかり
世界がフラット化するとは、21世紀以後、急速に身近なものとなったコンピュータネットワーク機器を使い、世界中の人々が地域的な障壁を越えてつながり、これまでは考えられなかったような広い範囲で共同作業をおこない、競争するようになったことを指しています。これらのことを可能にしたプラットフォームにはパソコン、光ファイバー、ワークフロー・ソフトウェアの発達があります。IT革命といわれて久しいですが、本当の革命はまだこれからです。

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2006年12月 3日

自由はどこまで可能か

◇◆第351回◆◇

4061495429自由はどこまで可能か―リバタリアニズム入門
森村 進
講談社 2001-02

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リバタリアニズムのわかりやすい入門書
リバタリアニズム(libertarianism)という言葉を最近知り、その解説を読んで、これは今の自分の考え方に一番近いと感じました。リバタリアニズムは政治経済・社会哲学のうえでの定義で、日本語では従来「自由至上主義」「自由尊重主義」などと訳されることが多かったのですが、最近ではリバタリアニズムとカタカナで表記されることが多くなっています。

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