ノンフィクション

2016年9月21日

習得への情熱

◇◆第890回◆◇

4622079224習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法
ジョッシュ・ウェイツキン 吉田 俊太郎
みすず書房 2015-08-18

by G-Tools

達人への道
著者は幼い頃はチェスの神童といわれ、大人になってからは太極拳推手の世界選手権で優勝を飾っています。チェスと武術という一見何の関係もなさそうな二つの競技でいずれも世界クラスの力を発揮するに至った背景を、著者自らの言葉で語っているのが本書です。達人になるためには何をすればいいのか、どのように考えればいいのかについてのヒントが詰っています。

続きを読む "習得への情熱" »

2014年12月 5日

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?

◇◆第878回◆◇

415209477Xスポーツ遺伝子は勝者を決めるか?: アスリートの科学
デイヴィッド エプスタイン 福 典之
早川書房 2014-09-25

by G-Tools

勝者を決めるものは複雑にからみあっている
結論から言うと、スポーツ遺伝子は勝者を決めません。遺伝的優位性というものは確かにあります。しかし、それだけで勝者が決まるほど人間のパフォーマンスは単純ではないからです。本書で中心的に取り上げられているのは陸上競技の長距離系(持久系)と短距離系(瞬発系)です。これらは最も遺伝的優位性が強く現れている競技分野です。長距離系種目で現在圧倒的な強さを見せているのはケニア、短距離系ではジャマイカです。彼らの遺伝的背景について詳しく書いてあります。

続きを読む "スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?" »

2014年10月20日

ホット・ゾーン

◇◆第877回◆◇

4864103674ホット・ゾーン――「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々
リチャード・プレストン 高見浩
飛鳥新社 2014-09-25

by G-Tools

エボラ出血熱の生々しいドキュメント
エボラ出血熱の感染が広がっています。すでに感染者は九千人を越え、死者も五千人になろうとしています。ギニア、リベリア、シェラレオネといった西アフリカの国々だけでなく、最近ではアメリカ、スペインなど先進国でも医療従事者の感染があり、全世界的な流行になるのではないかとの懸念が広がっています。エボラ出血熱は1976年にスーダン(現:南スーダン)で最初の患者が発生して以来、数年周期で散発的な流行が見られてきました。

続きを読む "ホット・ゾーン" »

2014年7月29日

FBI美術捜査官

◇◆第870回◆◇

4760139966FBI美術捜査官―奪われた名画を追え
ロバート・K. ウィットマン ジョン シフマン Robert K. Wittman
柏書房 2011-06

by G-Tools

人類の財産を取り戻す
盗まれた芸術品を取り戻すべくFBIの潜入捜査官として活躍した著者の回顧録。美術犯罪に関して著者は、犯人を逮捕することよりも大事なことが、美術品を無事取り返すことだ、と書いています。原題の”PRICELESS”が示すようにそれらは芸術的、歴史的に唯一無二の人類の財産です。FBIであっても美術犯罪は、麻薬や殺人といったものよりも軽んじられがちでした。しかし、著者は「人類の財産を守る」ということに心からやりがいを感じ、潜入捜査官として数々の事件を解決しています。

続きを読む "FBI美術捜査官" »

2014年6月10日

人類進化700万年の物語

◇◆第865回◆◇

479176773X人類進化700万年の物語 私たちだけがなぜ生き残れたのか
チップ・ウォルター 長野敬
青土社 2014-03-20

by G-Tools

生き残った唯一の人類
直立歩行する最初期の人類が現れたのは400万年から700万年前といわれています。私たちホモ・サピエンスが現れるまでに20種類以上のさまざまな人類が現れては消えていきました。そのさまざまな人類について述べ、なぜ私たちだけが残ったのかについて考察しています。進化の不思議な導きが私たちを唯一の人類として生き残らせました。それは一見不利なのではないか、と思うような進化の道筋を通っています。

続きを読む "人類進化700万年の物語" »

2014年5月21日

DNAでたどる日本人10万年の旅

◇◆第862回◆◇

4812207533DNAでたどる日本人10万年の旅―多様なヒト・言語・文化はどこから来たのか?
崎谷 満
昭和堂 2008-01

by G-Tools

DNA多型分析が明らかにした日本人の多様性
現生人類は、アフリカに誕生し、その後世界に広がっていきました。人類の移動の歴史を追跡する手段として、Y染色体のDNA多型分析がきわめて有効であることが近年あきらかになっています。本書は日本人の祖先がいつどこからどのようにこの列島にたどりついたのかを考察するとともに、日本人の世界的にみても珍しいDNAの多様性について述べています。

続きを読む "DNAでたどる日本人10万年の旅" »

2014年5月 7日

天才!成功する人々の法則

◇◆第860回◆◇

4062184397天才! 成功する人々の法則
マルコム・グラッドウェル 勝間 和代
講談社 2014-01-29

by G-Tools

才能以外に必要なもの
偉大な業績をあげるために天賦の才は不可欠です。しかし、目に見えるその分野の才能だけでは大成功は望めません。「天才」だけでは、だめなのです。本書は才能に加えて何が必要か、何が頂点に立つものとそれ以外とを分けるのか、をさまざまな分野の例を出して示しています。才能以外に最も大事なものは、生まれてくる時と場所、支援してくれる周りの環境、継続する努力です。

続きを読む "天才!成功する人々の法則" »

2014年3月 5日

フィギュアスケートに懸ける人々

◇◆第843回◆◇

4098250683フィギュアスケートに懸ける人々-なぜ、いつから、日本は強くなったのか (小学館101新書)
宇都宮 直子
小学館 2010-01-14

by G-Tools

日本がフィギュア強豪国になるまでの歩み
ソチ五輪のエキシビションに日本人選手が四人出場していました。これを見てあらためて日本はフィギュアスケートの「強豪国」になっているのだ、と実感しました。今回日本唯一の金メダルは羽生結弦のものですし、浅田真央のパフォーマンスには世界中が感動しました。しかし、日本が強くなったのは、20世紀も末になってからであり、それまでは全くメダルに手が届きませんでした。本書の中で著者が何度も触れているように、フィギュアスケートはヨーロッパ貴族の冬の余興から始まったもので、競技の根本にヨーロッパ的美意識があります。

続きを読む "フィギュアスケートに懸ける人々" »

2013年9月20日

「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう

◇◆第819回◆◇

486410249X「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう
税所篤快
飛鳥新社 2013-06-11

by G-Tools

大学生社会起業家の奮闘記
著者は現在24歳の早稲田大学四年生です。本書は彼が2010年にバングラデシュで始めた「ドラゴン桜プロジェクト」が五大陸に広がっていく過程の記録です。ドラゴン桜プロジェクトとは、DVDを駆使して、教師不足に悩む途上国に「最高の授業」を届ける仕組みです。彼はこれを自分自身の予備校での経験からヒントを得て始めました。本書では、バングラデシュをはじめ、パレスチナ、ルワンダ、などにその活動が広がっていく様子が記されています。

続きを読む "「最高の授業」を、 世界の果てまで届けよう" »

2013年8月 6日

鳥学の100年

◇◆第814回◆◇

4582527337鳥学の100年
井田 徹治 日本鳥学会
平凡社 2012-09-14

by G-Tools

鳥学の歴史と今
鳥学(ちょうがく)とは、鳥の生態や行動、分類を研究する学問です。2012年は日本鳥学会が設立されて100年にあたる年でした。本書は現役の新聞記者が鳥学会の依頼を受け、一般読者に向けて鳥学会の歩みについて書いたものです。皇族や華族が中心となって始まった鳥学会が、戦争という大きな苦難を経て、現在では絶滅が危惧される鳥類の保護に大きな力を発揮しています。

続きを読む "鳥学の100年" »

より以前の記事一覧