ジョイ・オンデマンド
◇◆第896回◆◇
![]() | たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND チャディー・メン・タン 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート NHK出版 2016-11-22 by G-Tools |
●ひと呼吸から始まる幸福への道
”幸福”はトレーニングで手にできる。なぜならそれは、あなたの内にすでにあるから---こう述べて本書は始まります。何かを手に入れたら、何かになったら、幸福になる、というのではなく、幸福は自分の内にあるのだから、それに気づきさえすればいい。その方法はたったひと呼吸に集中することから始まります。瞑想法の本ではありますが、特に前半部分は簡単で何の準備もいりません。
著者はシンガポール生まれ、Googleの立ち上げ初期にエンジニアとして入社し、そこでマインドフルネスをベースとした研修(SIY)を立ち上げ、大評判になりました。その後Googleを退社し、このプログラムを広めるための活動に従事しています。
●幸福に至るトレーニング
本書では簡単なものからやや手間がかかるものまで順を追って瞑想法を伝授しています。
1)ゆっくり深呼吸をし、呼吸が続いている間呼吸に集中する(マインドフルな呼吸)
これはひと呼吸だけでいい。
2)マインドフルな呼吸をする習慣をつける(いつでもどこでも)
3)心を落ち着ける方法を探す---アンカリング、レスティング、ビーイング
4)心を落ち着ける
5)子犬の瞑想
6)ひと呼吸のなかのJOYに気づく
7)日常生活のなかのJOYに気づく
8)JOYを引き出して寄り添う
9)潔白(正しい行いをすること)から生まれるJOYに気づく
10)日々の心地よい経験(五感の心地よさ)がもたらす喜びに気づく
11)死ぬべき運命を意識する
12)痛みがないことに気づく
13)終わりに気づく
14)無作為に選んだ人が幸せになることを願う
15)愛情に満ちたやさしさからくる喜びに注意を向ける
16)落ち着きと喜び、やさしさから深い思いやりを育む
17)心を利他的な喜びで高めてから落ち着ける
●瞑想とは手放すこと
自分が苦しんでいることを認識によって再評価するには熟練が必要です。苦しみの大部分が認識力の欠如から生まれているからです。視点を変え、感情の痛みをもたらしている状況を考え直すことで感情の痛みに対処します。認知力の欠陥を知り、再評価するためには以下の方法をやってみます。
1)やさしさと思いやりを他者に向ける
2)やさしさと思いやりを自分自身に向ける
3)自分の思考を全面的には信じない
4)長期的な視野で全体を俯瞰する
5)あらゆるものを、それ自体が奇跡だと考える
6)JOYとユーモアを持つ
瞑想をひと言で表現するならば、それは「手放すこと」です。手放すなんて簡単だと思うかもしれませんが、それが簡単ではないのです。手を放しさえすればいいのですが、人間の心の手は生まれつき不自由で痙攣していて、熱く焼けた石炭を握りしめたまま、それが放せなくなってしまっています。手放すための能力を得ることがほんとうの自由につながり、内なる幸福の発見につながります。
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