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2014年3月27日

浅田真央、17歳

◇◆第849回◆◇

4163709207浅田真央、17歳
宇都宮 直子
文藝春秋 2008-12-12

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07-08シーズンの浅田真央
世界選手権を初制覇し、出場した七つの競技会のうち六つで優勝します。タチアナ・タラソワの指導を受け始め、その様子も随所に記されています。彼女がどれほど傑出した奇跡のようなスケーターであるかは、タラソワの反応からもうかがえます。多くのチャンピオンを育てたタラソワに、身体能力が素晴らしく、その上練習熱心でまじめ、こんな選手は見たことがない、と言わしめています。タラソワの指導は厳しく、選手を限界まで追い込みます。それに耐えて、浅田真央の才能はさらに大きく開花していったのです。

過酷な練習の毎日であるにもかかわらず、ここに描かれている浅田真央は常に楽しく、朗らかで、明るく笑っています。シニアデビューから2年、インタビューでの彼女の成長ぶりも書かれています。「お待たせして申し訳ありません」と最初に挨拶する様子、これは先日のソチからの帰国会見でも聞かれました。大勢の記者に対し、到着が遅れたことをまず詫び、それから笑顔で質問に答え始めました。

結果からすれば絶好調に見えるシーズンであっても、その中にはさまざまな出来事があり、浮き沈みがあります。第二戦のフランスで、SPのトリプルトリプルに失敗します。今季三度目の失敗に、一位になったものの、悔しくて試合の後30分近く涙が止まらず、コメントを出せない状態が続きました。ある記者が関係者に「なぜ泣いているんですか」と尋ねたといいます。普通の人間なら、一位になっているなら笑顔で会見に応じるはず、と思うでしょう。ところが、彼女はそうではなかった。自分のミスが許せず、悲しくて、悔しくて泣き続けました。

キム・ヨナの話も出てきます。ライバル関係を煽りたいマスメディアですが、彼女は誰かに対抗意識を燃やすという観念はありませんでした。「スケートはひとりでリンクに出て自分と闘う。ひとりでプログラムを滑って、技をこなし、レベルを数える。全部、ひとりでやらないといけないし誰も助けてくれない」、と語っています。浅田真央が闘う相手は自分自身。だから自分が許せないような失敗には涙が止まらなくなる。順位は関係ないのです。

世界選手権を前にしても、波乱が起こります。まず、コーチがいなくなってしまったこと、さらに、練習中に左足首の靭帯を損傷します。世界選手権まで一ヶ月という段階でのケガに、「気分はどん底」でした。しかし、ケガを公表せずに中京大学のリンクを借り切って練習を再開、試合の二日前にスウェーデンのイエテボリに入ります。

SPでは二番につけ、フリーの演技を迎えますが、ここでまたとんでもないアクシデントが待っていました。冒頭のトリプルアクセルの踏み切りのときにエッジをとられて転倒。あまりにも激しい転倒が逆に彼女を冷静にさせました。素早く立ち上がり、その後の演技に向います。このときのことを彼女は「あのときね、間違いなく神様がいた。真央いつも誰かに助けてもらうんですよ。もうだめ、って思っても誰かが身体を勝手に動かしてくれる」、と語っています。彼女は信仰を持たない、と著者は書き、ただ、話の中に、毎回、必ず魂を浄化するような表現を盛り込む、それはおそらく彼女の意識下にある彼女自身だ、と続けています。


浅田真央、17歳
浅田真央、17歳
宇都宮 直子

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