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2013年1月14日

池田清明の人物画テクニック

◇◆第786回◆◇

4870731053池田清明の人物画テクニック DO繪シリーズ
池田 清明
一枚の繪 2003-11

by G-Tools

清潔感あふれる油彩人物画の描き方
「清潔感あふれる人物画のテクニックを池田清明が伝授」と帯にあります。著者の専門は油彩の人物画、中でも若い女性を描いたものが多く、背筋が伸びてきりっとした中に華やぎのある女性像に魅力があります。私の絵のスタイルは何も特別なものではありません。「自然のまま」を写し取るという、ごく常識的なもの、わかりやすいものです。---と著者が述べているとおり、達者なデッサンと光と影を的確につかんだ絵画の基本ともいうべき絵です。

人物画制作の流れ
第一章が「人物画制作の流れ」になっており、この章が全体のダイジェストの役割を果しています。人物画はモデル探しから始まります。本書の絵のほとんどは著者のご家族の肖像です。ポーズは自然なものでありながら、動きを感じさせるものにすることがポイントです。以下、構図、デッサン、着彩、仕上げについてそれぞれのコツをまとめました。

キャンバスサイズの目安
頭像は4号以下、胸像は6~8号、半身像は10~12号、七分身像は15~20号、全身像は30号以上

構図を決めるコツ
1)安定した三角形が感じられる
2)画面の中心(対角線が交わるところ)に求心力のあるものがある
3)左右(上下)が非対象である

デッサンのコツ
1)頭の位置、大きさを慎重に決める
2)細部にこだわらないで大局を見る
3)あとで消える線も生き生きと描く

着彩のコツ
大まかな色の変化を色面でとらえ、太い平筆で大胆に塗っていく
1)明部・暗部をおおまかに面でとらえる
2)明暗の順序を正しく描く。各部ごとに三段階くらいの異なる色合いを見出す

仕上げのコツ
顔、髪、肌、衣服などそれぞれの質感を表現するべく描きこんでゆく
1)モデルに似せるためには、それぞれのパーツにとらわれることなく単なる色と明暗の変化ととらえてて描く
2)衣服の質感は生地のしわや色彩の変化を描き分ける
3)よい絵を描くためにはよく見ることが大事

必要な道具
第二章には用具について書かれています。
・筆(豚毛の硬いもの4号~24号)、初心者は6号~18号まで七本くらい
・パレット(表面をホワイト・ラッカーのスプレーで白く塗っている)
・絵具(基本十二色)
・ペインティングナイフはパレットを掃除するときのみ使用
・溶き油(テレピンとルソルバンを用途に応じて調合)
・ルツーセ、ボロ布、木炭、筆洗、イーゼル

道具の手入れをおこなう
描き終えたら残った絵具をパレットナイフですくいとり、ボロ布できれいにぬぐって絵具を混ぜる部分は常に真っ白に保ちます。筆もパレットも次の仕事がすぐに始められるように手入れしておくことは、いい絵を描くために大事です。

色は三原色とホワイトで作る
著者はすべての色を三原色とホワイトのみで作っています。なぜなら自然の色は無限であり、どれほど多くの絵具を持っていても絵具を自分で混ぜて作るしかないからです。最初は難しいので、基本の十二色からはじめ、徐々に工夫して色を減らすことを勧めています。


池田清明の人物画テクニック DO繪シリーズ
池田清明の人物画テクニック DO繪シリーズ
池田 清明

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