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2012年2月 9日

自分の中に毒を持て

◇◆第729回◆◇

4413021452自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間”を捨てられるか
岡本 太郎
青春出版社 2002-01

by G-Tools

芸術も人生もすべて爆発
「芸術は爆発だ」という岡本太郎の言葉のもう少し詳しい解説になっています。彼は未来や過去を考えてそれを計算して生きることをよしとしません。そんな人生は全くつまらないものです。それが「常識人間」であり、それを捨てなければほんとうに生きたことにはならない、と言っています。そんな風に生きることは決して楽ではありません。しかし、ほんとうに生きたいと思ったら、瞬間瞬間に賭けて生きること、周囲の状況にあわせ、自分自身を甘やかす生き方をやめることが必要だと彼は言うのです。

冒頭、岡本太郎はいきなりこう言います。---人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積み減らすべきだと思う。財産も知識も、蓄えれば蓄えるほど、かえって人間は自在さを失ってしまう。(中略)人生に挑み、ほんとうに生きるには、瞬間瞬間に新しく生まれかわって運命をひらくのだ。それは心身とも無一物、無条件でなければならない。(中略)ふつう自分に忠実だなんていう人間に限って、自分を大事にして、自分を破ろうとしない。

自分と闘って自分を破る
「自分に正直に生きたい」とか、「自分らしく」という言葉を、彼は「自分の枠を大事にして自分に甘えていること」だと述べています。自分らしさというものも一種のとらわれであり、自分で作った自分の枠です。狭い枠の中で自分を守って自分自身に甘えそうになったら、自分を叩き潰せと言います。そんなちっぽけな枠を破れば逆に自分が猛烈に開けてきます。自分自身の最大の敵は世間でも誰でもなく自分自身なのです。

あれこれと理由をつけ、自分を取り巻く状況に甘えて自分をごまかしてしまう、そういう誘惑はしょっちゅうあります。仕方が無いといいながらあれやこれやを自分が思い通りに生きられないことの言い訳にすることをやめろ、と彼は言っているのです。自分を突っ放して自分と闘う、そうでなければ生きている面白さがありません。人は毎日なんらかの選択をしながら生きています。そしてほとんどの場合、安全な道、間違いない道、を選びます。

危ない方に賭ける
岡本太郎はいつでもあれかこれかという場合、これは自分にとってマイナスだ、危険だと思う方を選ぶようにしてきました。人間は弱く自分が大事だから安全な方にいきたがるものです。でもそれでは本当に生きることができない。結果がまずくいこうがいくまいがかまわない、むしろまずくいった方が面白いと思って自分の運命を賭けていけばいのちがぱっとひらくじゃないか、と述べています。

安全に保障された道をとぼとぼと歩いていてもほんとうに生きたことにはならない、そんなものは振り捨てておもしろそうなものが待っているところへ自分で道を切り開いて入っていけ、と彼は言っているのです。多分、これは永遠に人間が迷い続けるところでしょう。苦労はしたくない、恐怖も味わいたくない、それが人間心理だからです。それでいて自分がいる状況に閉塞感を感じてしまう。岡本太郎だからそういう生き方ができたという言われ方を彼は否定しています。そうではなく、そういう生き方を貫いたから岡本太郎という芸術家ができあがったのです。


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