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2011年10月28日

アルウィンの楽しい水彩教室

◇◆第723回◆◇

4753413640アルウィンの楽しい水彩教室―一歩一歩上達への道
アルウィン クローショー Alwyn Crawshaw
岩崎芸術社 1997-12

by G-Tools

どのような画材で絵を描くにも参考になる
著者は英国の著名な風景画家です。本書は透明水彩画で風景を描くコツを書いています。しかし、他の画材を使う場合でも参考になることがいろいろ書いてあります。画材に何を使おうと、絵を描くということの根本的な部分、ものの見方、画面配置(構図)といったものは共通するからです。ですから、写生を基本にして絵を描く人なら、絵具や筆の扱い方を飛ばして読んでも十分参考になると思います。

観察する
---どこにいようと絵のモチーフはほぼいつでもあるのだ、ということなのです。(中略)上達して観察力が鋭くなるにつれて、自然がそれまでとずいぶん違って見えてきます。絵を始める前は気にも留めなかった空を見て、ワクワクするようになります。水に映る影、木の葉に照りつける日差し、遠くの丘のやわらかな寒色、ほんの一瞬なのに息をのんで忘れられなくなるような光の変化……といったものが見えてきます。こうしたものはすべて私たちを楽しませるためにあるのですが、楽しむためには観察する訓練が必要です。

単純化してとらえる
---草原は何百万もの草の葉で構成されていますが、草原を表現するのに草の葉1枚1枚をすべて描こうなんて考えませんね。ということは、草原を単純化して、その印象を描くことが必要です。同じことがすべてのモチーフ、すべての制作についていえます。(中略)自然を単純化することを学ぶいい方法が一つあります。描く時間を30分間に決めて練習することです。(中略)時間制限があるために、重要な形や立体感を観察すること、対象を単純化することを、いやが応でも学びます。

観察と要約
著者の姿勢はこの二つの引用文に集約されていると思います。絵の上達のためには、よく観察することが第一です。描けないのはきちんと見えていないからです。そして次はまとめあげ単純化する訓練になります。絵を描くということは、文章を要約して何が書いてあるかを示すように、実際のものの本質をつかんで何がそこにあるかを要約して示すことなのでしょう。見ることと要約すること双方に訓練が必要です。そのためにも素早く描いて数多く継続して描く必要があるのです。


アルウィンの楽しい水彩教室―一歩一歩上達への道 (一歩一歩上達への道)
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