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2011年6月11日

ミクストメディア―用具と基礎知識

◇◆第714回◆◇

456838012Xミクストメディア―用具と基礎知識 (「アートスクール」シリーズ)
マイカル ライト Michael Wright
美術出版社 1995-10

by G-Tools

いろいろな画材を組み合わせて描くときのヒントに
私はいま、万年筆、筆ペン、マーカーといった水性顔料インクで線描し、その後、クレオロール、クーピーペンシル、オイルパステルなどで彩色するという方法で絵を描いています。この絵をどう分類すればいいものか、と考えていました。単なるオイルパステル画でもないし、色鉛筆画でもありません。そう考えていたら、これは「ミクストメディア」と呼ばれる範疇に入る絵なのだと気がつきました。「ミクストメディア」とは、幾つかの異なった画材を結び付けて絵を描く技法のことです。

これまで絵を描くというと、ある特定の画材のみで描くのが一般的でしたし、現在も主流はそうなのだと思います。油絵、水彩画、色鉛筆画、ペン画といったジャンル分けで多くの絵はくくられます。しかし、現在は画材にもどんどん新しいものが生まれ、新しい技法が開発されています。かつてのアカデミックな絵画技法習得では、油絵なら油絵の限られた画材で手順もほぼきっちり決まっており、それを学んで描くというのが普通でした。しかし、20世紀に入り、もっと気軽になんでも試してみようという風潮が生まれました。

ミクストメディアを推し進めた画家の代表はピカソです。彼は実に多種多様な画材を使い、さらにそれらをいろいろ違った方法で使うことによって、どんな素材でも絵になることを示しました。また、印刷、写真、プリントなど新しい技術が生まれたり、アクリル絵具のような新素材が開発され、それは21世紀になってさらに進んでいます。

本書では、線描用の画材、彩色用の画材のほか、ジェッソとワックス、さまざまな支持体などおよそ絵に使えそうなものはほとんどすべて紹介されています。それをどのように組み合わせどう使うかは画家しだいです。相性のよいものもあれば、ちょっと問題が起こりそうなものもあります。何を使ってもいいのは確かですが、油性と水性など画材の性質をよく知って使わないと、描いたものの、定着しないということも起こりえます。感性は自由にしていいのですが、素材の性質を熟知していなければ感性が空回りしてしまいます。


ミクストメディア―用具と基礎知識 (「アートスクール」シリーズ)
ミクストメディア―用具と基礎知識 (「アートスクール」シリーズ)
マイカル ライト Michael Wright

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