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2010年8月29日

ブレーン・ハッカー

◇◆第687回◆◇

4781603998ブレーン・ハッカー  巨人の「肩」に乗れ!―「新しいこと」を次々に考える“脳”!
デイビッド・マレイ  本田直之(訳)
イーストプレス 2010-06

by G-Tools

的確な分析だが、できるかどうかは別
この世に「新しいもの」は何もなく、あるのは「すでにあるものの新たな組み合わせ」であり、創造性とはそのつながりを見つけること、という従来から言われてきたことを少し例を変えて述べている本です。この本自身がそのひとつの例であり、ニュートン、アインシュタインといった天才の発想法を分析しています。少し新しいところで、ジョージ・ルーカス、スティーブ・ジョブズらも取り上げています。参考にできるかどうかは、読み手次第だと思います。

こういう本を何冊か読んできて、分析はあくまで分析だな、と感じます。これら天才たちの発想の仕方を解剖して、もっともだと思える説明がしてあります。明日からあなたもこのようにしましょう、というわけです。ただ、できるかどうかは別です。人間は非常に簡単だと思えることであっても、できないことはできません。イエスや仏陀が説いたことは難しいことではありませんが、できる人は稀です。

また、食べ過ぎないようにしましょう、運動しましょう、子どもにこう接しましょう、○○しましょう、と日々発せられる「こうしましょう」は、どれをとっても別段難しいことではありません。でも、できないのです。いい訳ではなく、できないからフツーの人であり、できてしまう人は天才なのです。その間に何か目に見えない、超えるのが困難な、形容しようのない何かがあります。ここを乗り越えられた人は、ひとつ階段を昇ったのであり、今度は下にいたときの自分をきれいに忘れてしまいます。だから教えることもできません。

全く違う分野に遊んだ方がいいように思う
苦もなくできるからアインシュタインであり、ジョブズなのです。彼らはそうせずにはいられません。鳥が飛ばずに、魚が泳がずにはいられないようにそうせずにはいられない。残念ながら、真似てうまくいくといったことではないように思えます。もしうまくいくとしたら、こういう本が山のように出版されることはないはずですから。それでも、私も含めて誰もがひとときの夢をみるためにこのような本を読むのでしょう。

異質なものを組み合わせよと本書には書いてあります。それで気がついたのですが、新しい発想を得たければ、発想法の本を読むよりも、芸術に親しんだり、言語構造や科学技術について書いた本を読んだりして、全く別の分野に遊んだ方がいいように思います。頭が切り替わり、視点が変わるからです。手っ取り早く思えるハウツー本が実は足枷になる、そんな気がします。


ブレーン・ハッカー 巨人の「肩」に乗れ!―「新しいこと」を次々に考える“脳”! (East Press Business)
ブレーン・ハッカー 巨人の「肩」に乗れ!―「新しいこと」を次々に考える“脳”! (East Press Business)
デイビッド・コード マレイ David Kord Murray

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コメント

はるさん、コメントいただきありがとうございます。

こういう本を自分もたくさん読んでいるので、えらそうなことは言いにくいのですが、逆にある程度読んでようやくわかったことは、こういうのは「後付の知恵」「事件後の分析」「コロンブスの卵」だということです。

出来上がってしまったものを見て分析することと、何か新しいものを組み合わせることとは全く次元の違う能力です。斬新な発想や創造ができる人をプロアスリートだとしたら、分析する人はせいぜいスポーツジャーナリストというところです。

岡目八目だからあれこれ言えるし、出来そうなことも言えるのですが、自分が実際にやるとなると、全く話が違います。ようやくそういうことに気づいたので、こういう本を読むのは多分最後かな、と思いますね。

COXさん、こんにちは〜♪

>新しい発想を得たければ、発想法の本を読むよりも、芸術に親しんだり、言語構造や科学技術について書いた本を読んだりして、全く別の分野に遊んだ方がいいように思います。

僕も全くもって同感です。巷にあまたあるノウハウ本なるものは、「天才になりたいのに天才になれないから、凡才が天才のことを紹介することでおこぼれのお金を頂くための本」に過ぎないと思っていますから。その人が本当に天才なら、ノウハウ本なんか書かずに天才の道を究めている筈ですから。

証券会社の人が金融商品をお客に勧めるのは、その金融商品は儲からないものだからですね。本当に儲かるものなら人知れずその金融商品を社員自身が買っていた方がよっぽど儲かりますから。証券会社のテーブルのこっち(お客)ではなく向こう(社員)に座っているということは、その社員がノウハウ本の著者と殆ど同じ立場に居るということを示していますね。

天才になるのは神から与えられたものなので、僕のような凡才は凡才らしく、ノウハウ本などを書かずに、少しでも新しい発想が出来るように自分の趣味や芸術の道を行くことにします。(^_-)-☆

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