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2009年5月30日

10° decimo―ZARD 10th Anniversary Book

◇◆第570回◆◇

491601929610° decimo―ZARD 10th Anniversary Book
Izumi Sakai
ジェイロックマガジン社 2001-11

by G-Tools

ZARD・坂井泉水のアーティストとしての言葉が詰まっている
創作者としてのZARD・坂井泉水がどのようなことを考えていたのかの片鱗にふれられます。亡くなった後に出た本や記事は外側からみた姿ですが、本書では10年という区切りを迎えた段階での彼女自身のコメントが多数収録されています。イタリアで撮影された写真、彼女自身がカメラを構えている様子、カバーをとると真っ赤な表紙が現れ、アートにも造詣が深かったという彼女の姿をよく伝えています。

イタリアということもあってか、本書の中の彼女はファッショナブルです。ジーンズとシャツにワークブーツというような初期のイメージとは少し違います。次の10年に向けて少しずつ変ろうとしていたのでしょうか。若くして亡くなってしまったためにその美貌とスタイルが一層目をひき、そのことを話題にされやすいのですが、彼女の真骨頂はやはりアーティスト、クリエイターとしての類稀な能力です。

その天才がどのようなコンセプトでZARDを作り上げていたのか、何を感じていたのか、興味深く読みました。

幸せな一瞬
普段、レコーディングしているときも、(ちょっとした音が気になって)なかなか集中って出来ないんですけど、すごく集中する短い時間がたまにあるんですよ。それがやっていて一番楽しい時間で…今回のヴォーカル・レッスンをやっているときにもそれがあった。いつも後になって「もしかしたら、あの時の自分が一番幸せだったかもしれない」と思うんですけどね。変でしょう? でも、しつこいようだけど(笑)本当にそういう一瞬ってあるのです。

自分の歌
毎回作品を作るたびに「何でこんなにダメなんだろう?」とか「何でもっといいものが出来ないんだろう?」といつもいつも思うんですね。それに分析したり…。だから自分の歌に満足することはないですね。

私はパフォーマンスがヘタなので、イヤなことがあると歌に当たっちゃう。今はヴォーカルをディレクションするのは私なので、自分が困るんですけどね(笑)。もっと声に幅のある人はあるだろうし、それに声量がある歌が上手な人はそれこそたくさんいるわけで。じゃあ、そうじゃないオリジナリティーを考えると、それは自分の声じゃないかと思って…。だから、大切にしたい。

私の声はごく”普通”だと思いますね。それがデビュー当時からコンプレックスでもありました。でも、自分のオリジナリティーというのは誰にでも必ずある。要するに、全く同じことを考えて行動している人が多ければ、オリジナリティーは薄れていきますよね。

(中略)「人がしないようなことを考えたり実行していこうという意識」を常に持つように心掛けていますけど、バランスですよね…。私は自分の引き出しを増やせば増やすほど、同じ個性でも深みが違うという考え方なので、これからの自分しだいかなと思って気を引き締めています。

好奇心
人間性は、年相応というか年齢と共に成長していきたいけど、感性は逆で、大人になっちゃダメなんですよ。無邪気な子供のような好奇心とあとは探求心みたいなものがないと…だから相反しますよね。そこはすごく難しい。子供らしい青い感性っていうのはそのとおり青いわけですから、やっぱり人間関係で摩擦が起きるし、「わがまま」って言われてしまうことも紙一重だったりする。でも「芸術は爆発だ」じゃないけれど(笑)そうやっていくと、ものすごいエネルギーのある作品を生むことは出来るんです。

けれど、それだけに普通の人が普通に取っているコミュニケーションはあんまり必要なくなる…。発散してしまうと中身がなくなるというかエネルギーが抜けちゃうんです。それを器用に出来る人もいるけれど、私は基本的にそんなに器用じゃない。だから変な人扱いをされちゃったり…(笑)。

ZARD
ZARDとしては、最初のコンセプト通り制作に集中し、普遍性を大切にするというスタイルでやってきたんですけど、少しラフで、好きな形でやっていくうちに、こうなったんですね。きっと他の人も、作品をメインにしていくと、同じようになるんじゃないんでしょうか。最初からしゃべりも下手だし、顔はひきつっちゃうし…。スタッフの方々は困ったと思いますよ(笑)。そういうのが全部ダメだっていうのが余計そういうスタイルに向かわせたのかもしれないですね。

(中略)出来れば正直な気持ちでその音楽のすべてを網羅したいっていうのはありますよね。網羅したいというのは、自分の音楽にかかわる全てをもっと勉強して極めたいっていう…。それに聴いてくれる人がいなければZARDは存在しないわけだから、そのことは常に心の中に留めておきたいと思っています。


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