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2009年4月 8日

Zard&アーリー90'sグラフィティ

◇◆第547回◆◇

4796659463音楽誌が書かないJポップ批評50: Zard&アーリー90'sグラフィティ
宝島社 2007-09

by G-Tools

ZARD・坂井泉水の活動記録
ZARDのアルバムや楽曲、活動履歴について大きくつかむによいガイドブックです。解説に関しては、筆者それぞれの思いいれがあり、賛同できる人、できない人、いろいろでしょう。「追悼号」となっているだけに、おおむね好意的な書き方です。彼女の生涯を時系列でまとめたヒストリーと、全発表曲152曲の題名と簡単な解説が、ZARDについての情報として最も有用かと思います。

91年2月10日のデビューは比較的遅く、24歳。93年2月5日にミュージックステーションで『負けないで』を歌ったのを最後にメディアからは完全に姿を消し、その後の軌跡は作品でしかたどれません。本書の書き手たちはそれがビーイングの戦略だったとしています。部分的にはそれもあるでしょうが、彼女自身の個性によるやむをえない選択だったのでは、と私は感じます。

どこか早世を予感していた?
また、生身の坂井泉水としては、まさかこんなに早くこの世を去らねばならないとは想像もしていなかったでしょうが、どこか深い部分で彼女は、長くは生きられないということを知っていたような気がします。メディア露出やライブに割く時間はない、そんなことをしていては、この世に残すべく自分が携えてきた作品を全部形にして仕上げる時間がない…。

全152曲のうち、表題に”永遠”という意味がついた曲が三曲、『Forever』、『Forever you』、『永遠』。単なる偶然といわれればそうですが、2ndアルバム収録曲の『いつかは…』(作詞・作曲とも坂井泉水)は、<あなたの中に 生き続けるわ>という象徴的なフレーズで終わっています。さらに、ラストアルバム『君とのDistance』のラストナンバーは『君と今日のことを一生忘れない』という予言的なタイトルになっています。

2004年にデビュー14年目にしてようやく初の全国ライブツアーをおこない、そのDVDが翌年発売され、同時にデビュー15周年のPVクリップDVDも発表しています。ただ、これは後になって振り返ってみると、”お別れの挨拶”という印象が強いものになりました。

この宇宙には、人間の意志や計画よりもっと大きな何か、はかりしれないものがある、と私は思っています。『きっと忘れない』を読んだときに、彼女に対して「遣わされた人」という印象を持ちましたが、このヒストリーや作品発表の様子をクロニクルで追っていくと、やはりその思いを強くします。

”聖母”の意味
本書の副題は「”聖母になった歌姫”坂井泉水/ZARD追悼号」です。聖母…、彼女の写真はうつむき加減か、どこかを仰ぎ見ているものがほとんどです。そのアングルはレオナルド・ダ・ヴィンチやラファエロが描く聖母マリアの画像に似ています。マリアさまはじっとこちらを凝視したりはしません。うつむき加減に幼子イエスへ慈愛のまなざしを注ぐか、天上を仰いで神を見つめるか。坂井泉水として活動した16年間、彼女は何を見つめていたのだろうか、と思います。

Golden Best ~15th Anniversary~ (通常盤)
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