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2008年5月10日

神の使者

◇◆第465回◆◇

4309230784神の使者
ゲイリー R.レナード 吉田 利子
河出書房新社 2007-01

by G-Tools

イエスの真の教え
アメリカ・メイン州に住む著者が、ある日突然部屋に現れた二人のアサンディッド・マスター(覚りを開いて解脱した霊的存在)に出会うところから本書は始まります。二人はイエス・キリストの真の教えを伝えるために現れたのですが、口調はかなりくだけていて、そのやりとりは気楽に読み進めることができます。現在の組織宗教としてのキリスト教とはほとんど関係のない話であり、ノンフィクションという見方で読んでもファンタジーとして読んでもかまわない本です。

奇跡のコース(A Course in Miracles)
この本の背景には『奇跡のコース(A Course in Miracles)』という別の本の存在があります。1965年から72年にかけてイエス自身があるアメリカ人女性に口述(チャネリング?)したといわれるもので、すでに数ヶ国語に翻訳されています。この本の日本語訳はまだ出ていないため、本書は『奇跡のコース』の概要を日本語で知るための現在のところでは数少ない参考書といえるでしょう。

マスター二人が明らかにするのは、聖書もキリスト教もイエスの教えをほとんど伝えていないということです。まあ、これはだいたい察しがつきます。愛と赦しを説いたイエスですが、その後の世俗宗教として巨大になったキリスト教では、”人間の原罪”のようなものが強調され、イエス自身は都合のいい偶像に祭り上げられてしまいました。

夢の中で生きている
マスターたちは言います。神はこの世を創造してなどいない、と。神は完全であり、分離も変化もなく、全き平安、幸福である、と。その神がこのような不完全で奇妙でもろく壊れてしまうようなこの世を創造するはずがないではないか、と。この世だと思っているものは、実はエゴが作り出した幻想であり、我々は幻想を現実だと固く信じこんでそこであれこれ苦闘しているのだ、と。

私たちは夢の中で生きています。眠っているときに見る夢は、どれほど奇妙であろうとも、夢を見ている間はリアルです。目が覚めたときに、「ああ、夢だったのか」と私たちは思いますが、そのとき目が覚めたと思っているだけで、さらに別の夢の中にいる、というのがこの世で生きているということです。

夢から覚める
このあたりを読んでいて、仏教的な世界観と似ているなあと感じました。ブッダのことにもマスターたちは触れます。キリスト教でもかつては輪廻転生が説かれていましたが、今では教義から削られています。仏教が輪廻からの解脱を目指すように、ここでのイエスのメッセージも同様のことを示唆しています。この世は幻であり、その夢から覚めることが大事だということです。

世の中に宗教は数多ありますが、霊的な天才がつかんだ真実というのは、みな同じなのではないでしょうか。それが風土や時代、それを聞いた人たちの考え方によっていろいろなフィルターがかけられて「○○教」というものができあがります。霊的な天才の言葉をそのまま受け継いでいくだけのレベルにある天才は数少なく、いつか世俗の目覚めていない人間たちに都合のいいような話へと捻じ曲げられてしまうのです。

赦しの実践
夢から覚めるためにマスターたちが著者に勧めることは、”赦し”を実践するということです。怒りや苛立ちが心におこってきたら、即座に赦しを実行するのです。誰かを(自分自身も含めて)裁いたり憎んだりしないこと。なぜなら、”誰か”というのは自分自身に他ならないからです。人はみな”神のひとり子”であり、お互いに分離してはいません。分離していると思わせるのがエゴの作り出す幻想なのです。

まあ、なかなか現実の”幻”の中に生きている身としては、受け入れ難い考え方です。しかし、日常の中で、できるだけこの”赦し”を実行するように心がけると、心が安らかになっていくのは確かだろうと思います。イエスは自分を迫害し、十字架にかけて殺した人たちをも赦しました。この世は幻であることを彼自身がよく知っていたからです。そこまではちょっと困難としても、赦しを心がければ、精神的、肉体的な安寧がもたらされるのは間違いないでしょう。

神の使者
神の使者
ゲイリー・R. レナード Gary R. Renard

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