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2008年4月 5日

プロフェッショナルの条件

◇◆第455回◆◇

4478300593プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
P・F. ドラッカー Peter F. Drucker
ダイヤモンド社 2000-07

by G-Tools

どうすれば一流の仕事ができるのか
ドラッカーの著作から個人に焦点をあて、「自分を使って何をどのように貢献したらよいか」についてのエッセンスを抽出しています。現代は数百年に一度という大きな転換点にあり、2020年ごろまでには”ポスト資本主義社会”が姿を現すと彼は予言しています。その中でどうすれば自分の能力を見極め伸ばしていくことができるのか、そのヒントを得られるでしょう。

現代社会は組織社会です。組織はコミュニティや家族とは根本的に異なる目的・機能を持っています。何かのために組織され、それをより効率よく実行していくのが組織です。組織はサービス、製品、人間関係、さらには組織自身についてさえ、確立されたもの、習慣化されたものを体系的に破壊し続ける仕組みを持たなければならないのです。

組織社会では常にそうした創造的破壊が進むため、その構成員である知識労働者は新しい知識を仕入れ、生み出し、古い知識を陳腐化し続けなければなりません。知識労働者として働くということは、絶えざる成長と自己変革を求め続けていくということです。それが単純な肉体労働に従事する労働者とは根本的に異なる点です。

ドラッカーの人生を変えた七つの経験
本書ではドラッカー自身が青少年時代から実践してきた方法が「私の人生を変えた七つの経験」として紹介されています。

(1)目標とビジョンを持って行動する---ヴェルディの教訓
  ヴェルディはオペラ『ファルスタッフ』を80歳で書き上げた。ビジョンを持ち、努力を続けることこそ老いることなく成熟するコツ。

(2)神々が見ている---フェイディアスの教訓
  アテネのパンテオンの彫刻群を作ったフェイディアスは人々に見えない像の背中まで仕上げたことを非難され、「神々が見ている」と答えた。このように、仕事において常に真摯であること、誇りをもち、完全を求める姿勢を持ち続けること。

(3)一つのことに集中する---記者時代の決心
  一時に一つのことに集中して勉強し、次々に新しいテーマをみつけて継続学習をおこなう。それによって自分に磨きをかけることを怠らないでいられる。

(4)定期的に検証と反省を行う---編集長の教訓
  著者は記者時代、半年に一度編集長と「集中すべきことはなにか」「改善すべきことはなにか」「勉強すべきことはなにか」について話し合った。今も毎年、二週間ほど自由な時間をつくり、一年の反省をおこなっている。

(5)新しい仕事が要求するものを考える---シニアパートナーの教訓
  著者が保険会社の証券アナリストから投資銀行のシニアパートナーの補佐役に転職したとき、創立者から「相変わらず証券アナリストの仕事しかしていない」と指摘される。新しい任務で成功するのに必要なのは卓越した才能ではない。新しい任務が要求するもの、新しい挑戦、課題において重要なことに集中することである。
  
(6)書きとめておく---イエズス会とカルヴァン派の教訓
  イエズス会の修道士もカルヴァン派の牧師も何か重要な決定をする際に、その期待する結果を書きとめておかなければならなかった。そして、一定期間の後、期待と実際の結果を見比べなければならなかった。この方法は人に「自らの強みは何か」を教えてくれる。さらに「それらの強みをいかにして強化するか」「自分には何ができないか、したがって行おうとしてはならないか」も教えてくれる。これこそ継続学習の要である。

(7)何によって知られたいか---シュンペーターの教訓
  著者の父は大学で経済学を教えており、後に世界的な経済学者となる19歳のシュンペーターに出会った。二人の友情はアメリカに移ってからも続き、1950年、著者をともなって父はシュンペーターをたずね「自分が何によって知られたいか今でも考えることはあるか」ときいた。シュンペーターは経済学の傑作を書いた30歳のころ、「ヨーロッパ一の美人を愛人にし、ヨーロッパ一の馬術家、そして世界一の経済学者として知られたい」と言ったことで有名だった。

その問いに対してシュンペーターは「今でもその質問は重要だが、考えが変った。今では一人でも多くの優秀な学生を一流の経済学者に育てた教師として知られたい」と答えた。その五日後、シュンペーターは亡くなる。この訪問は著者に強い印象を残した。一つは、人は何によって人に知られたいか自問し続けなければならないということ、二つめは、その問いに対する答えは歳をとるにしたがって変っていかなければならないということ、三つめは、本当に知られるに価することは人を素晴らしい人に変えることであるということ、であった。

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
P・F. ドラッカー Peter F. Drucker

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