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2006年11月11日

はじめてみよう水彩スケッチ

◇◆第346回◆◇

4881081802はじめてみよう水彩スケッチ―観察のコツと見せかたのテクニック
岩沢 一郎 視覚デザイン研究所編集室
視覚デザイン研究所 2004-09

by G-Tools

透明水彩の着彩テクニックの紹介
水彩画の、特に着彩の方法に関してさまざまなテクニックが紹介してあります。著者の描き方はBの鉛筆でていねいに下絵を描き、一番最初に明るくて面積の広い部分をウォッシュ(筆にたっぷりと絵具をふくませて平面的に広く塗る方法)し、それからしだいに明るい影、暗い影と重ね塗りしていくというものです。建物のレンガや壁の表面などを細かく描きこむのが著者の絵の持ち味のようです。

広い景色を大きく描いた絵もありますが、著者の好みはどちらかといえばこうした細かいディテールの描写です。本の縮小された画面で見るせいもあって、レンガや瓦、石積みの描写の細かさには驚嘆します。数ページごとに、「ワザあり」と「しっかり観察」と題してポイントごとのコツ、目のつけどころが示してあり、参考になります。

ウォッシュ、ため塗り、にじみ、混色、重色、タッチ、ストローク、ドライブラシ、拭き取り、洗い出し、削り出しといった透明水彩のさまざまなテクニックが紹介されています。着彩技法の辞典的に使える本でしょう。構図や遠近法についても終盤で触れられています。盛りだくさんですべてを使いこなせるようになるのは、修練が必要と思います。

線描きが怪しい人は、先にそちらを習得する必要あり
また、彩色の前にしっかりした下絵ができていなければ話になりません。永沢まこと氏は、「線が素肌であり、色は素肌をよりよく見せるための化粧」と言っていましたし、奥津国道氏も「絵を描く時間の三分の二をデッサンにあてる。デッサンがうまくいけば、峠をこえたようなもの」と述べていました。

実際、本書で示されている彩色のテクニックの数々は、しっかりした線描きがあってこそでしょう。その段階が心もとない人は、先にそちらの力をつけてから彩色のテクニック習得に進んだ方が良さそうです。また、彩色の基本はどのプロでも同じですが、その先のテクニックは実にさまざま、その人によって工夫をこらしていることがある、といくつか技法書を読んでいると思います。

図書館や書店にずらりと水彩スケッチの技法書が並んでいますが、自分がどういう絵を描きたいか、どういう雰囲気の絵が好きか、を考えてから技法を習得するのも大事ではないか、と思いました。


はじめてみよう水彩スケッチ―観察のコツと見せかたのテクニック
はじめてみよう水彩スケッチ―観察のコツと見せかたのテクニック
岩沢 一郎 視覚デザイン研究所編集室

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