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2006年10月18日

ハガキに描く風景スケッチ

◇◆第337回◆◇
初心者のためのハガキに描く風景スケッチ
花城康雄  日貿出版社  2000-11

ハガキスケッチならではの描き方
風景スケッチのコツ、それもハガキ程度の画面に描くことに絞って、どこに注意すればよいかを解説しています。著者は大企業のビジネスマンとして多忙な日々の合間にスケッチをしてきました。専門の画家が書いたものではないだけに、逆に一般人でこれから風景スケッチを始めたいと思う人には参考にできるところが多いように思います。

観光地へ行って写真を撮り、プリントしてみてがっかりしたことが誰にもあるはずです。カメラのレンズがとらえるものと人間が実際に脳で認識するものには差があります。私たちは見える景色の中で、自分が感動したもの、自分が関心があるものを中心に、それぞれ独自に画面構成しているからです。

自分の感動を中心にざっくり大きく描く
風景スケッチをするときは、自分の感動を中心にすえて描くこと、こまごました細部にとらわれすぎないことが肝心です。著者の作例スケッチがたくさん出てきますが、ざっくりと風景を大きくつかんで素早い線で描いていることがわかります。

著者はBの芯を入れた0.9mmのシャープペンと透明水彩を使っています。シャープペンを使うのは、削る手間がいらないからだそうですが、描かれたスケッチの線は生き生きとしています。特にこうした小さな画面の場合、ためらいのない伸び伸びとした線で描くことは絵の魅力を決定づけます。

のびのび生き生き描くことがすべて
永沢まこと氏は鉛筆を使わず、ペンで描く理由のひとつに、鉛筆だといつでも消せるという感覚が生まれ、気持ちにゆるみがでると述べていました。しかし、この著者のスケッチを見ると、消しゴムはいっさい使われておらず、線に勢いと動きが感じられ、すっきり、すかっとした絵になっています。

色を塗るときも、太めの筆で大胆に塗ることを勧めています。細い筆で鉛筆の線を意識しつつちまちまと塗るといじけた絵になってしまいます。少々はみでたところで、ゆがんでいたところで、勢いがあれば、すべて絵の魅力になります。

構図パターンをいくつか頭の中に持っておく
自分が感動を覚えた風景に会ったら、すぐさま描きだすことが重要でしょう。そのために、自分の頭の中に構図のパターンをいくつか入れておき、それにあてはめて画面構成をすると素早いスケッチが可能です。風景画や写真を見て、その構図の基本要素を常につかむようにしておけば、自分が描くときにも「あの構図!」と判断して描き始めることができます。

構図のパターン認識、ためらいのない線、大胆な彩色、それがスケッチならではの魅力を生むのです。


野村重存 水彩で描く 手のひらサイズの風景画(世界最小サイズ 野村パレットつき)
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野村 重存

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