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2006年10月22日

永沢まことの自分発見スケッチ術

◇◆第340回◆◇

4794213514永沢まことの自分発見スケッチ術
永沢 まこと
草思社 2004-10-21

by G-Tools

ペン+水彩スケッチにたどりつくまで
デッサン先行、ホンモノらしさ重視の西洋技法を捨ててペン一本で自由に描けば、自分らしい絵が生まれます。---と著者は主張します。本書の前半は著者自身がその言葉どおりに実行し、自分の絵にたどりついた過程が描かれています。イラストやアニメの仕事をしていた20数年前、初めて訪れたニューヨークで、街角のスケッチを始めたことが今の絵に至る第一歩でした。

最初は鉛筆で街角のミュージシャンを描いてみましたが、線がへなへなで納得がいきません。その後、マンガ風にカリカチュアライズして描きましたが、迫力不足。次はデッサン風にリアルに描きましたが、まるで面白みがありません。当時、マンハッタンのビル群をリアルな遠近法を用いて建築パースのように描いた著者の絵が載っています。「なんとまあ、固く人間味のない絵」と述べているように、まさしく形は正確だけれど、それだけ、という絵です。

ペンのスピード感に開眼
ニューヨークでホームレスたちをモデルに人を描き始め、その後、地下鉄の中でも描くようになります。そのとき、素早く動く乗客の姿をとらえるためにペンで描いてみたら、そのスピード感とくっきりとした線に、「これだ」とひらめきました。さらに色をつけてみたところ、ペンの線には透明水彩が最も映えることがわかり、ようやく今の画風への足がかりをつかみました。

わずかな紙数で書かれていますが、ニューヨークに来て、ここに至るまでに数年かかっています。おかしくも哀れなのたうちを続けた末に、自分でも驚くほど楽しく絵が描けるようになった、と著者は当時を振り返っています。この経験から絵を描きたいと思いながらなかなか始められない人は、線でのびのびと絵を描き、描くことの楽しさを知るのがまず大事だ、という著者の主張は生まれたのでしょう。

自分の線を作り、自分の色をみつける
線を生かして絵を描くためには、自分の線をつくりあげる必要があります。それを女線(優しい線)、男線(激しく強い線)、動き線(動くものを描く線)と三種類に大別し、これは感性の繊細さ、感性の激しさ、肉体の活力を磨き鍛えていく中から生まれてくると述べています。絵の線にはその人自身の心身の状態が反映されます。

色については、「自分の好みの色を塗れ」といっています。そのために一番いいのは、自分の中にある最も明るい、最もハデな色を塗ってみることです。ふだんの生活で、つい社会生活に無難な色ばかりを選ぶ習慣がついているため、私たちは「自分の色」を忘れてしまっています。それをこの方法で打ち破るのです。明るい色を使うことがどんなに楽しいか実感しましょう、と勧めています。楽しくなければ絵を描く意味なんてないですものね。


永沢まことの自分発見スケッチ術
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