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2006年10月14日

15分スケッチのすすめ

◇◆第335回◆◇

438107985X15分スケッチのすすめ―あなたの絵ごころがあふれ出す!
山田 雅夫
山海堂 2004-12

by G-Tools

さらりと描くことの魅力
ペン一本(油性か耐水性のサインペン)と一色(セピア)、15分で仕上げるスケッチの技法を解説しています。短時間で仕上げるスケッチが油絵の大作に比べて簡単か、といえば、それはどうも違うような気がします。スケッチは気軽に取り組めますが、コツを身につけないと、さっぱりうまくならないのではないでしょうか。本書は、絵心があるはずなのに、スケッチがうまくできない、という人への助け舟です。

著者の本職は都市設計家です。本書では、素早く的確に描くために見えている景色の「何を描かないか」を述べています。いかに簡潔な線でその風景から得た印象を紙の上に定着させるか、重視しているのはそこです。スケッチをしていて、混乱するときは、捨てることができなくなっている場合がほとんどです。

何を描かないか、が大事
目に入る情報は非常に多く、それをすべて描きこんでいたら、いくら時間があっても足りません。またそういう描き方をすると表現の核を失って絵の中心がぼやけてしまいます。自分が何に一番感動したのか、そのポイントをとらえて描くことが大事なのです。かといって見る人に伝わらなければ意味がありません。

本書では省略されているものを無意識のうちに補って見ようとする人間心理を利用して描く方法が示されています。表紙に使われているのはスペインの聖堂の正面で、一面に彫刻でおおわれています。これを全部描いていてはきりがありませんので、著者は垂直方向にリズムをもつ造形群に注目し、そこだけを描いています。この省略法なら装飾過多の歴史的建造物にも辟易しなくてすみます。

線で描くことの意味
線で描くことには哲学的な意味がある、と著者はいいます。実際にそこにあるのは造形物であり、色彩、テクスチャーです。それらのどこにも線はありません。しかし、それをあえて線という約束事におきかえて描いていくことは、面で描く油絵などとは根本的に違っています。

著者は15分スケッチをモノとモノとの関係性(空間性)をさらりとその場で描く画法であり、線という約束事を使い、誇張や省略も大いに認められる知的な表現であるとしています。小さなスケッチブックをかばんに忍ばせて、街角で「描きたい」という気持ちが湧いたものをスケッチしていく、それが上達の秘訣であり、楽しみにもなっていくようです。


15分スケッチのすすめ―あなたの絵ごころがあふれ出す!
15分スケッチのすすめ―あなたの絵ごころがあふれ出す!
山田 雅夫

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