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2006年8月28日

永沢まことのとっておきスケッチ上達術

◇◆第319回◆◇

4794212011永沢まことのとっておきスケッチ上達術
永沢 まこと
草思社 2003-04-16

by G-Tools

生きた線で絵を描く
耐水性のドローイングペンと透明水彩を使った軽妙なスケッチ画で人気のある著者が、その方法を図入りで解説しています。特徴は鉛筆での下書きをせずに、いきなりペンで描き始めることです。なぜ鉛筆を使わないのかというと、描きながら「直せばいい」という意識がはたらき、一発で自分の観察したものを伝える生きた線を引く力がつかないからだといいます。

描く前に観察する
著者の描画線に対する考え方は書道の筆さばきのようなイメージか、と思います。筆で描いた文字は一発でそこにあるから魅力があり、その線の勢いが書いた人の雰囲気まで伝えてくれます。絵の線もそれと同じなのです。そのために、絵を描く前に対象をよく見ることを勧めています。その像を心にためこみ、紙の上にその像をイメージするのです。著者は「ソラ描き」と呼んでいます。

モノを観察し、それを絵に描き表すというのは、モノの骨組みを見抜いてそれを「線」にすることです。著者の絵にとっては、まず線があり、それから色彩ということになります。線が基本で、色はそこに服を着せ、お化粧を施すようなものです。いい線があってこそ色彩が生きてきます。

線はその人を表す
線は描いた人間の観察力はもとより、意志の強さ、決断の速さ、そのときの感情のありさまから体調まであらわにする、といいます。筆跡(これは一種の線描ですね)がその人の人格をかなり如実に示すように、線はそれを描いた人自身なのです。

本格的な絵の入門書には、石膏デッサンや構図のとり方、遠近法の使い方などが載っています。確かにこれをしっかりやると、”ホンモノそっくり”に描くことができるようになります。しかし、これはルネサンス期に必要に応じて生み出された一種の”技術”であり、絵心の楽しさを満たすものではありません。

構図にとらわれず一点突破で
そういうものにとらわれず、まず線描きで、構図は目に付いたところから描き広げていくのがよい、と言っています。構図を考えるというのは、最終的な出来上がりをイメージして描き始めるということですが、線の自由さを生かすには、直感にしたがって描きたいところから描いていくのが一番です。

精一杯の絵をまず30枚
絵は楽しく生き生きと描くもの、というのが著者の基本的な考え方です。ただ、描き始めて、うまくなりたいと思ったら、数を描き、人の目にさらすのが大事です。それもちょこちょこっと描いて色を塗ったようなものではなく、ある程度の大きさ、F4とか、F6といったサイズで、自分にはこれが今は精一杯と思うまで描いた絵を「数」として30枚描きためることを勧めています。


永沢まことのとっておきスケッチ上達術
永沢 まこと

永沢まことのとっておきスケッチ上達術
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