« 酒田五法は風林火山 | トップページ | エスケープ・トゥ・ザ・フューチャーズ(上) »

2006年5月28日

ここまで来た「あの世」の科学

◇◆第252回◆◇

4396313837ここまで来た「あの世」の科学―魂、輪廻転生、宇宙のしくみを解明する
天外 伺朗
祥伝社 2005-07

by G-Tools

神と宇宙の新しい顔
近代科学の発展の前段階には科学と宗教の熾烈な戦いがありました。黎明期の科学は「錬金術」や「占星術」の中から生まれ、しだいに精神のことは教会が、物質のことは科学がという分業体制が確立し、産業革命を経て20世紀の驚異的な科学の発達の時代を迎えます。

ところが、20世紀半ばに登場した量子力学が発展するにしたがって、科学者たちは、宇宙が相互に関連しあい、作用しあい、なおかつ不断に変化する不可分なシステムであり、観察者もそこに内包されていると気づくようになります。こうした考え方を物心分離主義の従来の科学に対し「ニュー・サイエンス」と呼びます。彼らの多くが、インド哲学や仏教、易経といった古くからの東洋哲学がすでにこうした考え方を示していたことに驚きます。

ニュー・サイエンスの提唱者のひとり物理学者のデビッド・ボームは私たちの世界(明在系)は単独に存在するのではなく、もうひとつの目に見えない宇宙(暗在系)と密接に関係しており、つねにかかわりあいながら変幻流転している、という宇宙モデルを提唱しています。ボームは「物質も精神もエネルギーとして暗在系のなかにたたみこまれており、暗在系の中に”意味の場”があって、それが反映したものが物質であり、身体であり、明在系そのもの」と言います。

著者は聖書の「初めにコトバがあった」という一節をたとえにして、素粒子と「意味」の役割を類推して見せています。著者はこの暗在系を試みに「あの世」、明在系を「この世」と仮定して話をすすめています。すべての存在の元になる場所、つまり暗在系はきわめて「神」に近いもの、と考えられるのです。

プランクスケールにたたみこまれている「あの世」
かつて空間は極大でも極小でも同じだと考えられていました。ところが、空間はその大きさによって性質がまったく異なるということがわかってきています。今、その極小の部分、10の-23乗cmまでを説明する超ひも理論が注目を浴びています。ここから先がプランクスケールと呼ばれる大きさになるのですが、これを説明する理論はまだ発見されていません。本書の後半で著者は「あの世」がこのプランクスケール以下の場所にたたみこまれているという仮説を展開しています。

「あの世」は死後の世界ではありません。死後というのは、「この世」から見た話であり、「あの世」にはこの世のような時間も空間もないわけですから、「死後」はないのです。「あの世」がプランクスケールにたたみこまれているならば、あの世はどこにでもあり、そこに接触する手段の最大のものが「瞑想」であるようです。

無意識(あの世)との対話
瞑想はほとんどの宗教の修行に取り入れられ、ニューサイエンスの科学者たちも瞑想によって多くの知恵や洞察を得ています。本書の後半にはユングのエピソードが出てきます。ユングも瞑想の達人であり、霊感の持主でした。彼は心理学の立場から「集合的無意識」の存在に気づき、それと対話することの意味を記しています。ユングの「無意識」は「暗在系」に対応するものと著者は指摘しています。

素粒子物理学、深層心理学、東洋哲学、これら三者によって示されているすべてが同じ真実を指し示している可能性が大きいといいます。ちょうどまったく違う位置から同じ山の山頂を眺めているようなものです。宇宙の構造はそれ自身が生命体であり、壮大な「無意識」レベルのネットワークであり、「無条件の愛」とも「仏性」ともあらゆる宗教が神と呼んだ存在そのものだ、といえるのです。

ここまで来た「あの世」の科学―魂、輪廻転生、宇宙のしくみを解明する (祥伝社黄金文庫)
ここまで来た「あの世」の科学―魂、輪廻転生、宇宙のしくみを解明する (祥伝社黄金文庫)
天外 伺朗

関連商品
人は死なない-ある臨床医による摂理と霊性をめぐる思索-
宇宙の根っこにつながる生き方―そのしくみを知れば人生が変わる (サンマーク文庫)
般若心経の科学 改訂版~276文字に秘められた宇宙と人間の本質 (祥伝社黄金文庫)
運力 あなたの人生はこれで決まる (祥伝社黄金文庫)
「超能力」と「気」の謎にいどむ (ブルーバックス)
by G-Tools

                                                

« 酒田五法は風林火山 | トップページ | エスケープ・トゥ・ザ・フューチャーズ(上) »

スピリチュアル」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

« 酒田五法は風林火山 | トップページ | エスケープ・トゥ・ザ・フューチャーズ(上) »