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2006年3月29日

100年を生きる

◇◆第227回◆◇

4895831981100年を生きる―百歳長寿者の生活と意見
リン・ピータース アドラー Lynn Peters Adler
三田出版会 1997-08

by G-Tools

超高齢社会は現実のものに
本書はアメリカアリゾナ州で高齢者問題に取り組む著者が全米の百歳以上の長寿者にインタビューをおこない、それをまとめたものです。日本でもこれから85歳以上の人口爆発が起こる超高齢社会になることは間違いありません。老人福祉法が制定された1963年に初めて全国の百歳以上の人口が調査され、その数はわずか153人でした。それが、2004年には23,000人を超えました。40年で150倍です。

2003年の平均寿命は女性85.33歳、男性78.36歳です。これは0歳児の平均余命ですから、当然30歳、40歳と年齢があがっていくほどに平均余命も伸び、女性なら、現在30歳の人はあと55,97年、40歳なら46,22年平均して生きるということになります。40代でがんで死ぬよりも90代まで生きている可能性の方が高いのです。

百歳を超えて生きるのはやりがいのある冒険
本書のアメリカにおける初版は1995年。その当時すでに百歳を超えている方ですから、彼らの誕生は19世紀の終わりごろです。ヨーロッパから移民して来た人、幌馬車に乗って西部開拓へ家族とともに向かった人の話なども載っています。飛行機、自動車、ラジオ、テレビといった20世紀の発明品が生活の中へ取り入れられていく様子も興味深く読めます。

これらの人たちは人類史上最も大きな変化を目の当たりにした人たちでしょう。彼らにとって百歳の長寿は予想もしなかった出来事でした。著者は彼らはパイオニアであり、その人生から私たちは多くのことを学べると書いています。確かに、百歳を超えて生きるというのは、時間をかけた冒険です。

健康な長寿を支える性格・心理的特性
長寿の要因のひとつとして、遺伝があげられます。彼らの両親あるいは親族のうちにかなりの長寿者がいることが多いのは事実です。しかし、それだけでは百年を生きぬくことはできません。適切な栄養、運動といったことも重要ですし、衰えていく身体の部品を補うために、医療処置、眼鏡、補聴器、歩行器、心臓ペースメーカーといった最新のテクノロジーが役にたっていることは見逃せません。

しかしそれ以上に重要なこととして、高齢者本人の生きる姿勢、性格や心理面での特性が大きいと本書では述べています。これは他のさまざまな調査でもあきらかになっていることですが、健康的に長寿を満喫している人には次の三つの性格特性が共通しています。

1.楽天的でユーモアがあること
2.興味のある活動にうちこみ、活動的、活発であること
3.喪失に適応できること

高齢期に備えて今から準備を
1番目、2番目はよくわかるとして、3番目があげられているのは、長生きは数々の喪失を経験することと表裏一体だからでしょう。肉親や配偶者、友人、ときには子どもとの死別、視力、聴力などさまざまな肉体の衰え、そうしたものを受け入れて、柔軟に対処できる能力が欠かせないのです。遺伝はいかんともしがたいとはいえ、こうした人生への望ましい態度はこれから培っていくことができます。

百歳を超えた人たちは若い人たちに早いうちから現実を見据え、最高齢まで生きた時に備えて物理的、経済的準備をしなさい、と勧めています。これらの生き生きとした百歳人たちの言葉をきいていると、人が人生の最後の瞬間まで情感、幸福感、何かに対する情熱、熱狂を持ち続けていることがわかります。百歳まで生きるかどうかは別にして、これは超高齢社会を迎える21世紀の日本にとっても大変大事なことだと感じました。


100歳まで元気に生きる!
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ジョン・ロビンズ 高橋 則明

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