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2006年1月11日

菜根譚

◇◆第160回◆◇

4003202317菜根譚 (岩波文庫)
洪 自誠 今井 宇三郎
岩波書店 1975-01-16

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禅と老荘思想を基盤とした処世訓
本書は今から400年ほど前の明代末期に書かれた処世訓です。江戸時代に日本に紹介され、以来日本人に長く親しまれてきました。禅と老荘思想と儒教がほどよく交じり合って、前集220、後集135のそれぞれ短いコメントからなっています。これだけ長く読み継がれてきたのは、人間の欲望や虚飾は変わらないし、それを空しく思いそこから逃げ出したいと思う気持ちもまた変わらないということだろうと思います。

功名栄達の道を求めながらもそこで自分を見失わないようにするコツを説きつつ、この世はいっときの夢であるから、何をあくせくすることがあるだろうか、という発想の転換も説いています。要はバランスが大事だということです。自己を失わず、また人望も失わずストレスに押しつぶされずに生きるためのヒントが詰まっているのです。

人をうらやむな、責めるな。
終わったことにいつまでも執着するな。
官位を去るのは全盛のときがよく、徳は隠れて積み、恩は返せない人に施せ。
潔癖すぎるな、人と交わるにはきちょうめんすぎてはならない。

人の一生は火花のように一瞬のことである。
何事であれ、即座にやめればそれでけりがつく。
この身はつながざる捨て小舟のようにして、流れるも止まるも任せきりにせよ。
道を悟る者は天の妙機に任せその時期を待て。
人生は少しだけ減らすことを考えれば、その分だけ世俗から抜け出すことができる。

など、いつの時代にも通用する知恵が説かれています。

複数の視点で人生を見る
自分が自由にできるのは自分の心だけですから、その心をこだわりや、とらわれから解き放ってやり、たったひとつの視点だけではなく複数の視点、前からも後ろからも、寄って、引いてのさまざまな視点をもって生きることを勧めています。もちろん、なかなかそうできないのが人間ですし、だからこそ人は苦しむのですが、そんなときにこういうヒントをもらうと、ほっと息がつけるのではないでしょうか。


菜根譚 (岩波文庫)
菜根譚 (岩波文庫)
洪 自誠 今井 宇三郎

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