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2005年11月26日

サイレント・パワー

◇◆第144回◆◇

4899760779サイレント・パワー―静かなるカリスマ
スチュワート・ワイルド 石井 裕之 橋川 硬児
ヴォイス 2005-01-01

by G-Tools

パワーとエゴの違い
世間一般でパワーだと思われているもの、権力、お金、セックスその他、何らかの手段を用いて他人を思いどおりに動かしたいという願望、これらのすべてはパワーではなくエゴの表れに過ぎません。多くの人はパワーと勘違いしてエゴの奴隷となり、パワーに飢えて特別扱いされたがっている、とワイルドは述べています。

エゴは不安定なものです。エゴは満足することを知りません。そのエゴを満たすべく走り回るよりも、節制によってエゴを抑える方がずっと簡単だとワイルドは言い、そのための方法を本書の中で説いています。それは一言で言うと「何ものにも寄りかからない姿勢」を保つことです。それがサイレント・パワーです。

寄りかかることをやめる
受け入れて欲しい、人を感心させたい、注目されたいなどと常に思っていることは、結局いつも誰かの気まぐれや気分に振り回されることになり、パワーは失われてしまいます。褒められ、賞賛されることもあるかもしれません。しかし、それは見せかけの華やかさです。最後に価値として残るのは自分の内側にあるものだけあり、それ以外は幻想にすぎません。受け入れて欲しいならまず自分自身を受け入れること、認めて欲しいなら自分自身を認めることです。

サイレント・パワーを統一強化するためには、寄りかかることをやめるように自分を律することが大事です。どうしようもなく寄りかかりたくなったときにこそ自己コントロールに努めるべきなのです。これをワイルドは「まっすぐ立つゲーム」と名づけ、そのための三つのトレーニングを紹介しています。

1)自分のものでないものに寄りかかるのをやめ、自分で目標を立て、行動する。

2)未来に寄りかかって先のことばかり話すのをやめる。毎日「今」を特別な時間とし、現在持っているものや達成したことに感謝する。

3)人に何も要求しないですむような人生設計をし、自分で手に入れられるものだけを求めるようにする。心理的、感情的に人に寄りかかるようなことはしない。

ここの言葉をきいてそんなことをしたら「孤立」するのではないか、と思われるかもしれません。しかし、実は逆なのです。狂ったように人に何かを求めるとき、その欲求は絶望のオーラを出し、それが自分を弱らせ、いろいろなものを遠ざけてしまいます。

人に寄りかからないようにするためには、会話の内容にも注意する必要があります。ほとんどの人はしゃべりすぎています。ここは本当に難しいところですが、自分のことはしゃべらないようにし、人と会話するときは相手の下に入るように心がけよと言っています。人と張り合わないように。たとえば、誰かがパリへ旅行した話をしたら、たとえ自分が3年間パリに住んだことがあったとしても、そのことは言わず、相手の話を黙って相槌をうちながら聞くようにすればいいのです。

自分のエゴが相手に寄りかかったり、押しのけたり、強制したりしないとき、相手からより多くのことが学べます。そうすれば相手を愛し助けてあげることもでき、そこにいるだけで、周りの人が安心できるような雰囲気を身につけることができるのです。

忍耐し、流れに乗る
ワイルドの思想の背景にはタオイズムがあります。エゴをコントロールするためには、忍耐し流れに乗ることが大切だといっています。抵抗するのをやめ、淡々と感情を入れずに行動を調整しながら「まっすぐ立つ」ようにしていれば、サイレント・パワーは強化統一され、やがて無為に達することもできます。

無為とは、運命を委ね、忍耐し、物事が自然に開花するのを待つことができる能力です。人生をありのままに受け入れ、無理強いしないことです。物事がうまくいかないときは一歩下がってそれを見つめ、そこから立ち去ることもできる能力です。ノーと言えるならば、私たちは自由です。


サイレント・パワー―静かなるカリスマ
サイレント・パワー―静かなるカリスマ
スチュワート・ワイルド 石井 裕之 橋川 硬児

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コメント

いでさん、コメントいただきありがとうございます。

そうですね。もう五年もたっているのですね。確かに2009年を境に少し変わってきていることを実感できるようになりました。これまで、自分がいかに何も知らなかったか、知らなかったのに知っていると思い込んでいたかというのにようやく気がついた、というところです。

それ以前の自分を考えると恥ずかしい、と思うこともいろいろあります。修行の途上だ、と思うばかりです。今もまだときどきエゴに振り回されてしまうことがあります。以前ほど苛立ったり、むかついたりすることは少なくなりましたが。

すべては自分自身を映す鏡だと思いますし、起きていることに「いい」とか「悪い」とかレッテルを貼らなければ、ものの見え方は違ってくると少しわかるようになりました。自分の足で立ち、意識的に行動できるようお互いに精進いたしましょう。

はじめまして。
COXさんが、この本を読まれてから5年経っていますが、
大きな「サイレント・パワー」を身に付けられたのですね。

この本の訳者の石井裕之さんは、エーテルを鍛えるために
「すがらない。自分の足で立つ。」の他に、「明確な意識を持って行動する。他人の
暗示に振り回されない。」
「知っているという思い込みを克服する。」
を挙げています。

COXさんが取り組んでらっしゃる俳句やスケッチは、
「知っているという思い込みを克服する。」の最高の
トレーニングになっていると思います。

COXさんの色々なブログを読ませていただいて自分も努力を
続けていけば「サイレント・パワー」
が強化されエーテルが実感できる日がきっと来る。
と希望が持てました。
ありがとうございます。

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