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2005年7月15日

ああ正負の法則

◇◆第97回◆◇

4891946458ああ正負の法則
美輪 明宏
PARCO出版 2002-04

by G-Tools

光があれば陰がある
「正負の法則」とは、「禍福はあざなえる縄のごとし」や「人間万事塞翁が馬」という故事成語に近い意味を持っているのではないか、と思います。光があれば必ず陰があるということです。文章そのものは明快で読みやすく、短時間で読んでしまうことができるでしょう。しかし、その内容は著者の長年の経験と智慧に裏づけられ、教えられるところがいろいろとあります。

完全無欠というのはこの世にはない、と著者はいいます。どれほど完全に見える人でもどこかに必ず「負」を背負っています。容貌、才能、名声、富など外から見えるものすべてが完璧に思える人でも、いや、そういう人こそ、気をつけなければならない、と警告しています。また世の中のすべてのものごとがこの正と負の両面を持っているというのです。

交わりは腹六分をよしとする
たとえば、恋愛。恋愛とは幸福感や充足感、快楽、楽しい、といった<正>の部分ばかりではなく、その裏に嫉妬、不安、悩み苦しみ、裏切りといった<負>がべったりとくっついているものだ、といいます。これはまったく当然のお話です。

「惚れ方が激しければ激しいほど、幸福感が高ければ高いほど、それとまったく同じ量の<負>もまた連れ添ってやって来ているということを、初めから知って覚悟をしておけば、後々が楽なのです」と著者は言います。これと同様すべての交わりは腹六分目くらいがちょうどいいのだといいきっています。

これは親しければ親しいほど守るべき線をきちんと守るのが生活の知恵だということです。夫婦、恋人、親子、兄弟姉妹、友人、仕事仲間、それらすべてと”親しき仲にも礼儀あり”の態度でつきあうのです。これを守る一番よい方法は普段の会話を丁寧語、敬語で話す習慣をつけることだそうです。なれなれしいベタベタした態度でいると馴れ合いと近親憎悪が生まれます。これがもっとも始末が悪いのです。

負の先払い
満ちれば欠ける、これは月だけではなく、すべてのことにあてはまります。人間の運もこういうものです。ここで、著者は<負>の先払いという考え方を紹介しています。非常に幸運に恵まれ、何もかもうまくいっているときは、あらかじめ先回りして、財産を寄付するなどして、思いもかけない大きな負に見舞われる前に負を先に少しずつ小出しにしておきなさいということです。

「人生は”何かを得れば何かを失う。何かを失えば何かを得られる”のです。その法則に基づいて、身の回りに起きた、立身出世から、金銭問題、恋愛、家族、健康、病死、現在の境遇等々を、よく考え思いめぐらし、計算してみて下さい。」と著者は結んでいます。


ああ正負の法則
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美輪 明宏

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