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2005年1月 3日

日記の魔力

◇◆第57回◆◇

4763196022日記の魔力―この習慣が人生を劇的に変える
表 三郎
サンマーク出版 2004-08

by G-Tools

日記の書き方、読み方、効用
日記の魅力、ではありません。日記の「魔力」です。それにしてもたいした題名のつけ方だと思います。しかし、著者はそれほど日記の力を信じているのだということがよく伝わってきます。著者は有名予備校で「カリスマ」といわれるほどの人気を誇る講師であるとともに、経済学と社会思想史の分野で数多くの論文を書き、7ヶ国語を習得するという超人的な生活を送っている人です。

私はこれまで何度か日記をつけたことがあります。高校1年の夏から本格的に日記をつけ始め、大学ノートに万年筆で記したこの日記は、覚えているかぎり20歳ころまで続きました。その後もカードやスケジュール帳、バインダーノートなど形を変え断続的に日記を書いてきました。パソコンでも日記をつけました。このblogも一種の日記といえるかもしれません。

著者は日記を途中で投げ出してしまう人を対象にこの本を書きました。なぜ日記を書き続けられないか、それは、日記の書き方、読み方、効用を知らないからだ、といいます。私が高校のころ書いていた日記は多分実家の押入れの中にいまもあるはずです。あのころなぜ日記を書いていたのか、といえば、おそらく青春期でいろいろ胸にたまるものが多く、それを吐き出すために書いていた、というのが最も適当な答え
ではないかと思います。

そして、いつしか書かなくなったのはそれなりに処理がうまくなり、心が目詰まりすることが少なくなったからではないか、と思います。その私があらためてこの本を手に取ったのは、新年から万年筆での手書きの日記を復活させようと考えたからです。著者はパソコンで日記を書くことを勧めています。手書きでは資料として検索したり、まとめたりしにくいというのが第一の理由です。

しかし、私はあえて手書きの日記を書きたいと思っています。いまやほとんどの文章をキーボードで作成するようになりました。手書きの機会がへり、もともと下手な字がますます下手になっているということと、手書きの感触のなつかしさ、とでもいうものでしょうか。高校生のころ日記を書き始めた万年筆とノートに戻りたい、せめて自分ひとりの日記はそういう形でいいのではないかと思うのです。

高校生時代の日記を何年もたってから読み返したことがあります。もちろん内容の大半は他愛もないことばかりです。しかし、驚いたのはその筆跡の変化でした。わずか3年にも満たない時間なのに、高校1年のころと卒業のころでは筆跡が大きく変わっているのです。日々変わっていないと思っていた自分が実はこんなに変わっているということを、最もはっきり表しているのが筆跡でした。

明日のために今を記録する
日記をつける目的を著者は「明日のためにいまを記録することだ」といっています。過去の思い出をつくるのではなく、いまを見つめ、未来をつくるために書くのだというのです。日記に反省を書く人は多いと思いますが、単なる反省では何の意味もないといいます。「あれをやっておけばよかった」ではなく、「今日からはこうしよう」と書けというのです。

書くことは考える練習になる、ともいっています。ものごとは言語化することによってはじめてその人の中に定着します。私はこの「COXの読書ノート」を始めるまで、自分が読んだ本の内容や感想を記録したことはありませんでした。読んだ内容は自分の中に定着すると思っていたからです。しかし、こうして書き始めてみて、ほんの数か月前に読んだ本でさえ、記録を読み返さなければ自分の中に再現することができ
ないことを痛感しました。記録しておかなければ、それは脳のどこか深いところにうずもれて、それっきりになってしまうのです。

私はこのblogと同時進行で「優嵐アウトドア世界探検」という旅行記のblogも書いています。こちらは、自分がしてきた旅の記録をblogに書き起こすという作業で、すでに旅してから7年も8年もたっているものを、書いています。私は日記を書かなくなってからも、旅行に出たときはいつも克明に記録をとっていました。固有名詞や時間などをきちんと記録に残しているのです。そうすると、時間を経て書き起こしながらも、自分の中にそのときの光景が五感のすべてを通して蘇ってくるのを感じることができます。文字は時を越えるのです。

日記によって潜在エネルギーにつながる
本書の最後で、著者は日記を書き続けることによって得られるもう一段大きな糧について記しています。この世のすべて、語られたもの、表現されたものは、氷山の一角にすぎない、といいます。それらの背後には無限ともいえるバックグラウンドがあり、日記はそこへアクセスするカギを与えてくれるというのです。人間はそれぞればらばらではなくどこか深いところでつながっており、それは、歴史も空間も超越したものだといいます。私はユングの集合無意識を一瞬連想しましたが、著者はライプニッツやウィトゲンシュタインらの言葉をかりつつ、この言葉にしにくい「バックグラウンド」についてなんとかわかりやすく表現しようとしています。

「生命力というのは流動するエネルギーである。形あるものというのは、膨大な潜在エネルギーに支えられた氷山の一角でしかない。見えない部分がなければ、人は生きていけないのだ。だから、自分のアビリティの部分だけを見て、自分にはこれしかできないと思うのではなく、見えない部分、キャパシティの部分に意識を向け、自分の隠れた大きさを信じて生きていくことが大切なのだ。(中略)日記がなぜ人生を豊かにするのか。それは日記が、自分の生命エネルギーの大きさを教えてくれるからである。」

さあ、あなたも日記を書きたくなりませんか?


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