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2003年9月22日

家族収容所―「妻」という謎

◇◆第3回◆◇

4062119951家族収容所―「妻」という謎
信田 さよ子
講談社 2003-08

by G-Tools

結婚幻想
「結婚」「家庭」「母性」…これらの言葉ほど夢、憧れ、ぬくもり、やすらぎ、幸せ、といった砂糖菓子のような形容詞で彩られている語は他 に無いのではないでしょうか。特に女性にとってこれらの言葉がどれほ ど大きな意味を持っているかは男性には想像できないことだろうと思い ます。それは一種の信仰と呼んでもいいくらいです。

著者の信田さよ子氏は臨床心理士。原宿カウンセリングセンター所長で、 アルコール依存症、摂食障害、ひきこもり、夫から妻への暴力、子ども の虐待などに悩む人とその家族のカウンセリングを長年行っています。 これは彼女の臨床経験をもとに、「結婚」「家庭」「母性」というもの に潜む負の力について語った本だと言えるでしょう。

普通と異常はつながっている
もちろんすべての夫婦や家庭がこういうものだとは思いません。しかし、 さまざまな問題が表面化した家庭と「ふつうの家庭」は同じ地平でつな がっていると彼女は言います。「ふつう」という言葉がどれほど人を差別化し、傷つけるか。多くの人は「ふつう」といわれる範疇から脱落す るのが恐ろしくて、必死に走っています。

この本では、夫から信じがたいような扱いを受けながら、それでも「妻」 の座にしがみつく女性たちのケースがいくつも紹介されています。21 世紀になっていても、いかに「妻」というものが大きな力で日本女性全 体を支配しているかに驚くばかりです。信田氏はこれを「ロマンチック ラブ幻想が生んだ強制収容所」と呼んでいます。

信田氏は「はじめに」でこのように述べています。

―なぜ夫婦を今、問題にしなければならないのだろうか。答えは簡単だ。 「子どもが迷惑するから」である。日々のカウンセリングで、親の愛憎 劇に有無をいわせず立ち会わされた子ども時代を語るひとに、数えきれ ないほど会ってきた。

―日本では晩婚化が進んでいるという。一定程度以上の学歴を持った女 は、どんどん結婚しなくなっている。それは、たぶん彼女たちにとって の結婚が、自分の人生に何のメリットももたらさないからだろう。

家族収容所―「妻」という謎
家族収容所―「妻」という謎
信田 さよ子

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