法然の哀しみ〈下〉

◇◆第587回◆◇

409405622X法然の哀しみ〈下〉 (小学館文庫)
梅原 猛
小学館 2004-06

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布教者・リーダーとしての素晴らしい才能
下巻は布教者としての法然の姿から始まります。法然が強い感化力を持っていたことは間違いありません。勢至菩薩の生まれ変わりといわれるほどの深い智慧を持ち、戒はどの僧よりもきびしく、それだけで十分な尊敬を集められたばかりでなく、天然の温顔、寛容な慈悲で人々に接しました。後白河法皇を始めとする貴顕の人々から名もなき庶民まで広く専修念仏が広がっていったのは、こうした法然の姿とともに、人にあわせた臨機応変な布教方法によります。

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法然の哀しみ〈上〉

◇◆第586回◆◇

4094056211法然の哀しみ〈上〉 (小学館文庫)
梅原 猛
小学館 2004-06

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もっとも日本的な仏教者・法然
著者は法然をもっとも日本的な仏教者だといいます。法然を原点にすれば、日本仏教のほぼ全体を見渡すことが可能だからです。聖徳太子に始まり、最澄、空海を経た日本仏教が最も光り輝いた時代が鎌倉時代初期、そのトップバッターとして登場したのが法然でした。そして、その後の鎌倉新仏教の祖師たちは直接的、間接的にも法然の影響を受けています。それほどのスターでありながら、法然について書かれたものは親鸞、日蓮、道元などに比べるとかなり少ないのが現実です。それはなぜでしょうか。

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心は脳を超える

◇◆第585回◆◇

心は脳を超える―人間存在の不思議

ジョン・C・エックルス、ダニエル・N・ロビンソン  大村裕、山河宏、雨宮一郎(訳)  
紀伊國屋書店   1989-02

心身問題と二元論的相互作用説とは
心身問題(心脳問題とも)とは、心と身体(主として脳)の関係についての哲学・科学上の長年に渡る大問題です。ひらたく言えば、人間の心は完全に物質的存在から生れるものなのか、何らかの非物質的存在が介在するものなのかを問う問題です。古代ギリシャ時代からすでに論じられており、現代の脳科学、認知科学、理論物理学、人工知能、心理学、哲学といった幅広い分野で研究され、さまざまな説が出されていますが、いまだ決定には遠いという難問です。

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証言・臨死体験

◇◆第584回◆◇

4167330113証言・臨死体験 (文春文庫)
立花 隆
文藝春秋 2001-08

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日本人23人の臨死体験インタビュー記録
立花隆が23人の臨死体験者にインタビューした記録です。体験時に本人が見たものを描いた自筆画もいっしょに掲載されています。体験内容はそれぞれ微妙に違うのですが、大枠で囲むと似ている部分がいくつかあります。三途の川らしいものと花畑を見る人が多く、全員非常な爽快感に包まれています。そして、あれほど気持ちがいいのなら死ぬのは恐くないと口にしています。

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死の体験

◇◆第583回◆◇

4831871982死の体験―臨死現象の探究
カール・ベッカー
法蔵館 1992-06

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なぜ科学者は超常現象に抵抗感があるのか
著者はシカゴ生れ、本書執筆当時は京都大学教養部助教授、東西文化の死生観について研究を行っています。臨死体験に関して日本で出版された本の中では初期のものといえるでしょう。臨死体験がどのようなものかについては他にも出版物がいろいろありますが、本書のユニークな点は、臨死体験を単なる錯覚とか、それらを含めた超常現象を研究することを「科学ではない」と言って批判する一部の科学者の見解に反論を試みていることでしょう。

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化城の昭和史

◇◆第582回◆◇

4122027179化城の昭和史―二・二六事件への道と日蓮主義者 (中公文庫)
寺内 大吉
中央公論社 1996-10

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日蓮主義者と軍国ファシズムの関係を描く
五・一五事件や二・二六事件、満州建国といった戦前の昭和史に残るテロ、軍国ファシズムの一連の出来事の中心にいた人々の多くが、日蓮主義者と呼ばれる熱狂的な一種の宗教原理主義者でした。戦前の昭和史について書かれた本は数多く出ていますが、この点に触れたものはほとんどない、と著者は述べています。本書は小説の形をとっていますが、ほぼノンフィクションに近く、当時の中心人物たちの思想・行動を細かく追って、日蓮主義という新たな視点から昭和史の前半部を描いています。

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法然讃歌

◇◆第581回◆◇

4121015266法然讃歌―生きるための念仏 (中公新書)
寺内 大吉
中央公論新社 2000-03

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激動の中世を背景に成立した信仰
著者は直木賞作家であり、91年から99年まで浄土宗宗務局長をつとめています。信仰者の立場から法然像を描き、さらに作家として法然の生きた時代の政治背景を描いています。法然(1133-1212)の生きた時代は、保元の乱(1156)、平治の乱(1159)、源平の争乱、鎌倉幕府成立(1192)といった政治の激動期でした。こうした時代背景が法然を阿弥陀信仰へと導いていったことは確かでしょう。

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化石

◇◆第580回◆◇
化石 (角川文庫クラシックス)
井上靖  角川書店 1969-11

死を同伴者として生を見る
主人公の50代半ばの実業家は旅先のフランスで偶然自分が不治の病に冒されていることを知ってしまいます。そのときから彼の傍らにはぴったりと「死」という同伴者ができます。小説の大部分はこれ以後彼がこの同伴者と言葉を交わしながら、自己の生と死について考え続ける様子が描かれています。本当は誰もが生れた瞬間からこの同伴者を連れています。死からみた生の姿、そのときそれがどれほどくっきりと見えるかを知らされる小説です。

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ひろさちやの「法然」を読む

◇◆第579回◆◇

4333020530ひろさちやの「法然」を読む
ひろ さちや
佼成出版社 2004-03

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法然の魅力
著者は名だたる仏教の名僧・高僧のうちでも法然の人柄が一番好きだといいます。それは法然が持つ「いい加減さ」にあるようです。柔らかさとでもいうべきでしょうか。自己に対してはあくまで厳しく自省をしながら、他人を断罪したり、厳しく叱責したりするのではなく、すべてを包み込んで許し、慈愛の眼差しで見守る、そうした姿勢を持ち続けました。これは、すぐれた宗教者といえどもなかなかできるものではありません。そういう点が彼の最大の魅力です。

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歎異抄

◇◆第578回◆◇

4003331826歎異抄 (岩波文庫)
金子 大栄 (校注)
岩波書店 1981-01

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親鸞の教えの根本にあるもの
「歎異抄」は親鸞入滅後、弟子の唯円が師の言葉をもとに編んだものです。100ページに満たない薄い本ですし、もともとの文章がそれほど難解ではなく、現代語訳もついているので、手軽に読めます。念仏によって阿弥陀仏の本願にすがり、極楽浄土へ連れて行っていただく、という浄土仏教の教えの基礎がわかります。同時に、これほどシンプルな教えであるにもかかわらず、唯円が異説の跋扈を嘆いて本書を編まねばならなかったというあたりに人間の業の深さが見て取れます。

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ニュー・アース

◇◆第577回◆◇

4763198726ニュー・アース -意識が変わる 世界が変わる-
エックハルト・トール 吉田 利子(訳)
サンマーク出版 2008-10-17

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目覚めることは、いまに在ること
「目覚める」とか「悟る」とかいうのは実は非常に簡単だということが具体的に書いてあります。しかし、それがあまりに簡単であるがゆえにほとんどの人間は目覚めることも悟ることもできない、という悲しい現実があります。自分の額や背中に真実が書いてあるようなものです。近すぎて見えない。目覚めるとは、いまに在ることだ、と著者は繰り返し述べています。これは古今東西の霊的教え、キリストから禅まで言葉をかえ、比喩をかえして語っていることです。

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人はなぜ宗教を必要とするのか

◇◆第576回◆◇

4480058222人はなぜ宗教を必要とするのか (ちくま新書)
阿満 利麿
筑摩書房 1999-11

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宗教は無用のものか?
日本人は「無宗教」だと言われます。敬虔なクリスチャンか、新興宗教の信者でもなければ信仰を持っているとは言わないでしょう。宗教なんて生活するのに無用のもの、と大多数の日本人は思っています。しかし、そんな「無宗教」者も、「本当の生き方」を真剣に模索しはじめたとき、また、人の死など身にあまる不条理を納得したいと願ったとき、無宗教ではいられなくなっていくのではないだろうか、と著者は述べています。

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法然の衝撃

◇◆第575回◆◇

4480089497法然の衝撃―日本仏教のラディカル (ちくま学芸文庫)
阿満 利麿
筑摩書房 2005-11

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凡夫のための宗教を初めて提唱した法然
著者は世界の宗教史でただ一人あげよ、といわれたら法然をあげるといいます。それほどに法然の提唱した専修念仏は衝撃的であり、従来の価値観を根底から覆すものでした。「凡夫のための宗教」は法然をもってして初めて出現したのです。凡夫とは、自己中心性を逃れられない人間のことです。自己のためにすべての欲望が動員され、神仏に祈願することさえ内容は自己の欲望充足のための脅迫であることが少なくありません。

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法然と親鸞の信仰 下

◇◆第574回◆◇

4061581562法然と親鸞の信仰 下  講談社学術文庫 156
倉田 百三
講談社 1977-07

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親鸞の生涯と歎異抄の求心性
下巻は親鸞の生涯と「歎異抄」について述べられています。親鸞は浄土真宗の開祖ということになっていますが、それは彼の没後のことであり、親鸞自身は法然の後継者をもって任じており、新しい宗派を作る意志はありませんでした。「歎異抄」は弟子の唯円が親鸞の言葉を書き残したものです。著者は「歎異抄」について、私の知っている限り世界のあらゆる文書の中で、一番内面的な、求心的な、本質的なもの、と書いています。

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法然と親鸞の信仰 上

◇◆第573回◆◇

4061581554法然と親鸞の信仰 上 (講談社学術文庫 155)
倉田 百三
講談社 1977-06

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法然の生涯と弥陀の誓願
上巻では、浄土宗の開祖法然の生涯とその絶筆である「一枚起請文」について書かれています。著者の宗教的熱情がみなぎっており、165ページの薄い本ですが内容は深く、日本で浄土思想・阿弥陀信仰を発展させた法然の人となりとその信仰にいたる過程がよくわかります。阿弥陀信仰は、阿弥陀仏があらゆる衆生を救うと誓った「弥陀の誓願」に救いのよりどころを求め、念仏を唱えることによって、浄土に救いとっていただくとする信仰です。

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ツインソウル

◇◆第572回◆◇

456964886Xツインソウル―死にゆく私が体験した奇跡
飯田 史彦
PHP研究所 2006-03

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臨死体験から振り返る人生の意味
経営心理学者で福島大学教授でもある著者は、生まれ変わりをベースとした生きがい論を展開しています。著者は2005年の末に脳内出血をおこし生死の境をさまよいます。その時の臨死体験をもとに本書は書かれています。気がつくと体外離脱して自分の身体を見下ろしている、と第二章の冒頭からこの体験は始まっています。身体を離れると同時に物質世界特有の「時間」と「空間」の制約がまず失われます。

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楽しい万年筆画入門

◇◆第571回◆◇

4777911594楽しい万年筆画入門 (趣味の教科書)
古山浩一
エイ出版社 2008-09-27

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万年筆で絵を楽しむ
万年筆で絵を描こうと勧める本です。考えてみれば、鉛筆もサインペンも筆も筆記用具ですが、絵を描く道具としても使われています。それなら万年筆で絵を描いても全く問題ないはずです。著者はプロの画家であり、万年筆を使って作品を描いています。なめらかにインクが出ていくらでもインクの補充がきき、長持ちする万年筆を絵を描く道具として楽しもうと提案しているのが本書です。

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10° decimo―ZARD 10th Anniversary Book

◇◆第570回◆◇

491601929610° decimo―ZARD 10th Anniversary Book
Izumi Sakai
ジェイロックマガジン社 2001-11

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ZARD・坂井泉水のアーティストとしての言葉が詰まっている
創作者としてのZARD・坂井泉水がどのようなことを考えていたのかの片鱗にふれられます。亡くなった後に出た本や記事は外側からみた姿ですが、本書では10年という区切りを迎えた段階での彼女自身のコメントが多数収録されています。イタリアで撮影された写真、彼女自身がカメラを構えている様子、カバーをとると真っ赤な表紙が現れ、アートにも造詣が深かったという彼女の姿をよく伝えています。

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「ほめる」言葉

◇◆第569回◆◇

4796661549「ほめる」言葉
財団法人メンタルケア協会
宝島社 2008-03-22

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「自分のことをわかってほしい」という思いを理解する
「ほめる」ことの基本は「相手の存在をみとめること」とあります。誰もが「自分のことをわかってほしい」と思っており、実際に自分のことを理解しようとしてくれる人の存在によって救われることが多いのです。誰もが必死に毎日を生きており、だからこそ悩んだり苦しんだりします。精神対話士とは対話によって心のケアをするスペシャリストです。一生懸命生きている人の存在を認め、気持ちに寄り添い、共感の言葉を贈ります。ここからすべての人間関係は始まります。

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クラウド化する世界

◇◆第568回◆◇

4798116211クラウド化する世界
ニコラス・G・カー 村上 彩 (訳)
翔泳社 2008-10-10

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クラウド化によって社会はどう変ろうとしているのか
クラウド化とは、今IT業界で起こっている大きな変化のことをさしています。コンピュータを動かすソフトウェアはこれまでそれぞれのマシンにインストールされていました。しかし、今やどんどんネット上にあるものを利用できるようになっています。これはインターネットへの接続が安価・高速・常時となったことによって実現したことであり、これによってビジネスが、さらには社会が、どのように変化していくかを考察しています。

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新耳袋―現代百物語〈第2夜〉

◇◆第567回◆◇

4043653026新耳袋―現代百物語〈第2夜〉 (角川文庫)
木原 浩勝 中山 市朗
角川書店 2002-06

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すぐそばにある怪異話第二弾
現代の怪異話を集めた第二弾。呪い、祟り、因果のみで語られる話は載せないという著者たちの方針から、そういう恨みっぽい怪談話は載っておらず、怪異なお話といいながら、どこかからっとしています。ただ、取材中にさまざまな支障がおきてどうしても収録できなかったような話もあり、本当に恐ろしいものは、あだやおろそかにこの世の光をあててはいけないのかも、と思ったりもします。幽霊だけでなく、宇宙人や妖精のようなものも出てきて、バラエティに富んでいます。ほのぼのと気持ちが温かくなるようなお話も載っています。

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月と六ペンス

◇◆第566回◆◇

4092510187月と六ペンス (地球人ライブラリー)
W・ S・モーム  大岡 玲(訳)
小学館 1995-08

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ゴーギャンからインスピレーションを得た芸術家小説
主人公のストリックランドは40歳のシティで働く株式仲買人です。妻と二人の子どもに恵まれ、安定した生活を送っていました。そんな彼が突然、職業も家族も捨て、パリへ向かいます。若い女と駆け落ちしたのか、と思われた彼は、連れ戻すべく訪ねてきた語り手に、「絵が描きたい」と言い、金輪際家族のもとには帰らない、と宣言します。ゴーギャンの生涯に暗示を受けてモームが書いた芸術家小説の傑作です。

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人生の扉をひらく「万能の鍵」

◇◆第565回◆◇

4763196049人生の扉をひらく「万能の鍵」
ラルフ・ウォルドー・トライン  吉田 利子(訳)
サンマーク出版 2005-03

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無限の生命と力のスピリットとつながるには
本書の内容を一言でいえば、「すべての背後には<無限の生命と力のスピリット>が働いて、すべてを動かし、すべてを通じて、すべてのなかに現れている。そのことに気づけば豊かに生きられる」ということです。著者が生きた時代は1866年から1958年、比喩などには時代を感じますが、書かれている内容は、現代出版されているスピリチュアル系の書物と全く変りませんし、おそらくずっと昔から霊的に偉大な師といわれている人びとが述べてきたことと同じだと思います。

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影の現象学

◇◆第564回◆◇

4061588117影の現象学 (講談社学術文庫)
河合 隼雄
講談社 1987-12

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無意識のなかに潜む「影」とは何か
日本を代表するユング派心理学者が、無意識のなかでも特に「影」に的を絞ってわかりやすく書いたものです。影はすべての人間にあり、それは「もう一人の私」ともいうべき意識下の自分とみることができる、と著者は書いています。自分が気がついていないだけでなく、都合が悪いために忘れて意識下に押し込んでいる何か、という面も持っているようです。従って、しばしば意識を裏切ります。ある意味危険な存在でもあり、非常に魅惑的な存在でもあります。

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FX&日経225先物 システムトレード勝利の方程式

◇◆第563回◆◇

453404450XFX&日経225先物 システムトレード勝利の方程式
今井 雅人+システムトレード研究チーム
日本実業出版社 2008-11-13

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システムトレードの理論と実践
前半でテクニカル分析やシステムトレードについての考え方を述べ、後半でデータをもとにした事例を豊富に掲載してあります。取り扱われているのは、日経225、FX、個別株式、東京ガソリンです。これらの10年以上にわたる日中足データをもとに損益曲線を示し、どのシステムが優位か検証しています。使われているのは単純移動平均を使ったトレンドフォローシステムです。

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心の扉を開く

◇◆第562回◆◇

4531081129心の扉を開く―聖なる日々の言葉
アイリーン・キャディ 山川紘矢・羽成行央・川瀬 勝(訳)
日本教文社 1998-04-15

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366日の心の声を聞くための言葉
フィンドホーン財団の創立者のひとりアイリーン・キャディが、366日の一日ごとの瞑想のための言葉を記しています。一日に一ページ、すぐに読めますが、内容は深くはっとさせられます。「静かになって、自分の中へ深くはいってください。そして、自分の中の小さな声をみつけて下さい。あなたの中にあるあなたの本質部分にふれて下さい。そして、あなたの愛を世界中に送り出してください」と著者は書いています。

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絵が語る秘密

◇◆第561回◆◇

4535561672絵が語る秘密―ユング派分析家による絵画療法の手引き
グレッグ・M・ファース  角野 善宏 老松 克博(訳)
日本評論社 2001-06

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絵は「無意識」につながる回路
実際にさまざまな人たちが描いた絵をもとにその絵のどこに注目すべきか、絵から何がうかがわれるかを解説してあります。絵は夢と同じように「無意識」につながる回路です。解説を読んでいくと、そんなことまでわかるのか、と驚いてしまいます。ただし著者は、公式にあてはめるような解釈はしないようにと戒めています。描いた人はすべて個性を持つ生きた人間なのです。分析家を目指す人向けに書かれていますが、内容は平易で興味深く読めます。

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雄気堂々

◇◆第560回◆◇

4101133034雄気堂々〈上〉 (新潮文庫)
城山 三郎
新潮社 1976-05

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4101133042雄気堂々〈下〉 (新潮文庫)
城山 三郎
新潮社 1976-05

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日本資本主義の父・渋沢栄一の伝記
武州血洗島の農家に生まれた栄一が幕末維新の動乱を駆け抜け、いかにしてそのような存在になっていったのかを城山三郎の筆で読み進めることができます。幕末維新史は薩摩や長州、土佐の志士、新撰組、幕府の要人といった人たちを主人公に描かれているものがほとんどです。この小説にはもちろんその人たちも登場してきますが、少し違う角度から幕末維新というものを見ることができ、その点が新鮮でした。

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図解文化財の見方

◇◆第559回◆◇
図解文化財の見方―歴史散歩の手引
人見春雄、野呂肖生、毛利和夫(編)   山川出版社  1984

文化財散歩に手ごろな図鑑
日本の文化財を見て回るのに最適なハンドブックでしょう。160ページほどの新書版で軽く、鞄の中に入れて持ち歩いても負担になりません。大きく「神社と寺院建築」、「城と住宅」、「仏像と神像」に分かれており、それぞれの代表的な文化財をあげてそれらの特徴、名称が図解で説明してあります。たとえば、鳥居ひとつとってみても、神明、鹿島、黒木、明神、稲荷、両部、春日、八幡、山王、三輪という八つの種類があることがわかります。

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クレパス画事典

◇◆第558回◆◇

4878959002クレパス画事典―基本からプロのテクニック・画材の基礎知識・名画集
サクラアートミュージアム
サクラクレパス出版部 2005-06

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クレパスの奥の深さに触れる
クレパスというのは、サクラクレパスの登録商標です。クレヨンとパステルの長所をあわせもつ画材として1925年に開発されました。一般名称ではオイルパステルに分類されます。保育園のころからこの画材に親しんできたために、油絵具や透明水彩絵具に比べるとどうしてもお子様向けという印象が強く、絵を描く道具としてあまり真剣に考える対象になりませんでした。しかし、本書を読むと、実にさまざまな可能性を持った画材なのだと驚きます。

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