2017年8月29日

しんがり 

◇◆第899回◆◇

4062816091しんがり 山一證券最後の12人 (講談社+α文庫)
清武 英利
講談社 2015-08-21

by G-Tools

号泣会見
1997年の山一證券の破綻を覚えておられる方は多いでしょう。当時の野澤社長が号泣しながら記者会見をしたことが特に記憶を鮮明にしました。本書を読めば、あの社長は土壇場になって急遽社長に祭り上げられ、実情を知らされたのは破綻直前だったことがわかります。

» 続きを読む

2017年8月23日

戦争にチャンスを与えよ

◇◆第898回◆◇

4166611208戦争にチャンスを与えよ (文春新書)
エドワード ルトワック Edward N. Luttwak
文藝春秋 2017-04-20

by G-Tools

戦争という現象を倫理道徳論を抜きに見る
刺激的な題名で、「戦争反対」が絶対善とされる日本では拒否感を持つ人も多いでしょう。ただ、著者は戦争を純粋に「現象」として見ていると述べています。戦争がなぜ起こるのか、悲しいながら、原始時代から今にいたるまで世界のどこかで戦争は続いていますから、これは人間の本性に根ざしたものだと考えた方が現実的です。ただ戦争反対と叫んでも戦争がなくならないならば、戦争の本質について考え、それをうまく活用することを説いたのが本書です。

» 続きを読む

2017年8月22日

無私の日本人

◇◆第897回◆◇

4167903881無私の日本人 (文春文庫)
磯田 道史
文藝春秋 2015-06-10

by G-Tools

百姓が武士にお金を貸す
三つの短編が収められています。なんといってもおもしろいのは最初の「穀田屋十三郎」です。この作品は2016年に『殿、利息でござる』として映画化されました。穀田屋十三郎は仙台藩吉田宿の造り酒屋の主です。さびれるばかりの吉田宿のありさまに心を痛め、八人の同士をつのって、仙台藩にお金を貸し、その利子で吉田宿を潤すという前代未聞の大事業を成し遂げます。

» 続きを読む

2017年5月26日

ジョイ・オンデマンド

◇◆第896回◆◇

4140817100たった一呼吸から幸せになるマインドフルネス JOY ON DEMAND
チャディー・メン・タン 一般社団法人マインドフルリーダーシップインスティテュート
NHK出版 2016-11-22

by G-Tools

ひと呼吸から始まる幸福への道
”幸福”はトレーニングで手にできる。なぜならそれは、あなたの内にすでにあるから---こう述べて本書は始まります。何かを手に入れたら、何かになったら、幸福になる、というのではなく、幸福は自分の内にあるのだから、それに気づきさえすればいい。その方法はたったひと呼吸に集中することから始まります。瞑想法の本ではありますが、特に前半部分は簡単で何の準備もいりません。

» 続きを読む

2017年5月14日

誘拐

◇◆第895回◆◇

4480421548誘拐 (ちくま文庫)
本田 靖春
筑摩書房 2005-10-05

by G-Tools

ノンフィクションの最高傑作
午後から読みはじめ、350ページあまりを夕方までで一気に読みきってしまいました。下におくのも忘れるほどおもしろい本に出会ったのは何年ぶりでしょうか。ノンフィクションの最高傑作といわれるだけのことはあります。

» 続きを読む

2017年5月 7日

孤独の愉しみ方

◇◆第894回◆◇

4781604579孤独の愉しみ方―森の生活者ソローの叡智 (智恵の贈り物)
ヘンリー・ディヴィッド ソロー Henry David Thoreau
イースト・プレス 2010-09-01

by G-Tools

ヘンリー・ディヴィッド・ソローの名言集
ソローは1817年、アメリカのマサチューセッツ州コンコードに生まれました。ここは自然環境に恵まれ、思想活動の中心でした。ハーバード大学に学び、エマソンとも親交を深めたソローはやがて自然の魅力に深く惹かれるようになり、ウォールデン湖のほとりに小屋を建て、自給自足の生活を始めます。このときの生活と思索の記録が後に『森の生活』になり、シンプルライフの原点となりました。

» 続きを読む

2017年4月29日

エッセンシャル思考

◇◆第893回◆◇

4761270438エッセンシャル思考 最少の時間で成果を最大にする
グレッグ マキューン 高橋 璃子
かんき出版 2014-11-19

by G-Tools

エッセンシャル思考とは行動の断捨離
エッセンシャル思考は、不要な活動を排除し、自分のエネルギーを最も重要なことに集中させて成果をあげるための方法です。人が持っているエネルギー量は限られており、素晴らしい成果をあげようとするならば、そのエネルギーを分散させず、一点に集中させることが大事です。文章にすれば簡単なようでいて、これは実はとても難しいことです。本書ではその考え方、具体的方法についてわかりやすく述べています。

» 続きを読む

2016年11月29日

ファスト&スロー

◇◆第892回◆◇

4150504105ファスト&スロー(上) あなたの意思はどのように決まるか? (ハヤカワ・ノンフィクション文庫)
ダニエル・カーネマン 村井章子
早川書房 2014-06-20

by G-Tools

認知的錯覚はなぜ起きるのか
私たちは避けようのない認知的錯覚を持っています。合理的に考えている、と思いたいのですが、実態は必ずしもそうではありません。日常生活が支障なく送れる程度には合理的ではあるものの、常に完璧に合理的ではない、ということを本書ではさまざまな例を出しながら明らかにしています。

» 続きを読む

2016年9月26日

がんが自然に治る生き方

◇◆第891回◆◇

4833421070がんが自然に治る生き方――余命宣告から「劇的な寛解」に至った人たちが実践している9つのこと
ケリー・ターナー 長田美穂
プレジデント社 2014-11-13

by G-Tools

進行がんの劇的な治癒例から学ぶ
題名が示すように、本書は全身転移、再発といった進行がんを生き延びた人たちへの調査をもとに書かれています。著者は腫瘍内科学の研究者であり、こうした進行がんの劇的寛解例を千件以上分析し、そこから驚異的な自己治癒力を発揮するに至った共通項を見出そうとしています。アメリカの症例なので、日本とは医療そのものや代替医療の扱われ方などに差がありますが、参考にできることは多いのではないかと思います。

» 続きを読む

2016年9月21日

習得への情熱

◇◆第890回◆◇

4622079224習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法
ジョッシュ・ウェイツキン 吉田 俊太郎
みすず書房 2015-08-18

by G-Tools

達人への道
著者は幼い頃はチェスの神童といわれ、大人になってからは太極拳推手の世界選手権で優勝を飾っています。チェスと武術という一見何の関係もなさそうな二つの競技でいずれも世界クラスの力を発揮するに至った背景を、著者自らの言葉で語っているのが本書です。達人になるためには何をすればいいのか、どのように考えればいいのかについてのヒントが詰っています。

» 続きを読む

2016年6月 7日

「ガンが食事で治る」という事実

◇◆第889回◆◇

4837671454「ガンが食事で治る」という事実―済陽式ガンの食事療法vs星野式ゲルソン療法 (ビタミン文庫)
済陽 高穂 星野 仁彦
マキノ出版 2010-12-15

by G-Tools

医者は食事療法に関しては無知
星野仁彦は42歳のときに大腸がんを発症し、肝臓に転移。自らゲルソン療法を研究し、忙しい精神科医としての勤務を続けながらおこなえるように改良した星野式ゲルソン療法によって、がんを克服しました。済陽高穂は消化器外科医ですが、手がけた患者の5年生存率の低さに愕然としていたときに星野の著書と出会い、連絡をとったところから交流が始まりました。済陽は星野の方法も参考に、済陽式ガンの食事療法を考案して患者治療に活かしています。

» 続きを読む

2016年6月 1日

サイロ・エフェクト

◇◆第888回◆◇

4163903895サイロ・エフェクト 高度専門化社会の罠
ジリアン テット Gillian Tett
文藝春秋 2016-02-24

by G-Tools

高度に分類化されすぎて機能不全に陥る
これは現代の大規模になった組織のいずれもが抱える問題について扱っています。組織が大きくなると、それをを機能的に動かすために専門領域に分けて活動するようになります。専門性を発揮するためにそれは必要なことですし、それによって効率があがる部分も確かにあるのですが、しだいにその分類は当初の目的を外れ、内向きのセクト意識の強いものへと変化して行きます。そして、互いの縄張りの中に閉じこもり、縦割りの中で変化に対応できない組織へと変わって行きます。

» 続きを読む

2016年5月24日

ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない

◇◆第887回◆◇

4906784364ゲルソン療法でがんを消した人に再発はない-がんを消し、再発しない体をつくるゲルソン療法入門-
渡邉勇四郎
ATパブリケーション 2015-05-22

by G-Tools

ゲルソン療法はなぜ進行がんにも有効なのか
著者は内科医で、2007年に進行して手術ができない前立腺がんと診断されました。そのとき、以前から興味を持っていたゲルソン療法のことを思い出し、それを試してみることにしました。その結果、前立腺がんを克服し、8年たっても再発はありません。著者は現在、ゲルソン療法から得たヒントをもとに新しい輸液療法をおこなうなど、積極的にがん治療に取り組んでいます。本書では、ゲルソン療法を現代の医療の目で「なぜゲルソン療法が効くのか」ということをわかりやすく解説しています。

» 続きを読む

2016年5月23日

ゲルソン療法のススメ

◇◆第886回◆◇

4776206021末期がんを克服した医師のゲルソン療法のススメ ~ 5年生存率0%からの生還~
星野仁彦
アスコム 2010-03-27

by G-Tools

食事療法で肝臓転移した大腸がんを克服
著者は精神科の医師として多忙な毎日をおくっていた42歳のときに大腸がんを発症。すでにステージ3で周辺リンパ節に転移していました。この段階ですでに進行がんであり、5年生存率は厳しいものになります。その後、がんは肝臓に転移していたことがわかりました。5年生存率0%というのはやや大げさながら、長期生存が難しいのは事実です。ここで、著者は抗がん剤を拒否し、ゲルソン療法というほぼ90年前にマックス・ゲルソン医師が開発した食事療法に賭けてみることにしました。

» 続きを読む

2016年5月22日

無病法

◇◆第885回◆◇

456980568X無病法
ルイジ・コルナロ 中倉 玄喜
PHP研究所 2012-05-19

by G-Tools

食べることを最小限にするのが健康のもと
著者のルイジ・コルナロはルネサンス期のヴェネツィア人で102歳まで活力に満ちて健康に暮らし、午睡に入った後目覚めなかったという健康長寿の見本のような生涯を送りました。彼はヴェネツィアの名門に生まれ、若い頃は放縦な生活を送り、宴会続きと食べすぎで30代から40代半ばにかけて「生活習慣病」に侵され、命も危うい状態になりました。そこから医師の勧めによって食事を節することを始め、この健康長寿を実現したのです。

» 続きを読む

2015年8月10日

認知症予防のための簡単レッスン20

◇◆第884回◆◇

416660998X認知症予防のための簡単レッスン20 (文春新書)
伊藤 隼也
文藝春秋 2014-11-20

by G-Tools

認知症は予防できる
認知症治療のために今、もっとも注目されているのが、認知症の前段階である「軽度認知障害(MCI)」での治療と予防です。MCIは、物忘れがひどくなったという自覚があり、周囲からもそれを指摘される状態です。認知症に進んでしまうと、治療は困難になりますが、MCIの段階なら、まだ元の状況に戻ることも可能だからです。本書では、認知症予防のための行動を、食事と運動の面からやさしく解説しています。毎日の小さな心がけで、認知症予防は可能なのです。

» 続きを読む

2015年7月10日

0ベース思考

◇◆第883回◆◇

44780290670ベース思考---どんな難問もシンプルに解決できる
スティーヴン・レヴィット スティーヴン・ダブナー 櫻井祐子
ダイヤモンド社 2015-02-14

by G-Tools

0ベース思考とは
脳を鍛えなおして、大小問わずいろいろな問題を普通とは違う方法で考える。ちがう角度から、ちがう筋肉を使って、違う前提で考える。やみくもな楽観も、ひねくれた不信ももたずにすなおな心で考える…表紙を開いたら最初にこう書いてあります。本書の中で述べられていることは、これに尽きます。もっと単純な言葉で言ってしまうと「裸の王様方式で考えろ」ということです。

» 続きを読む

2015年5月 2日

マーケット感覚を身につけよう

◇◆第882回◆◇

4478064784マーケット感覚を身につけよう---「これから何が売れるのか?」わかる人になる5つの方法
ちきりん
ダイヤモンド社 2015-02-20

by G-Tools

価値を認識する能力
マーケット感覚とは、「価値を認識する能力」であり、もっと平たく言えば「売れるものに気がつく能力」です。価値のあるものは身近に転がっており、それを認識できた人はそれを梃子に大きな飛躍を遂げることができます。成功者となるためには、学歴、資格、何かの特殊技能よりも、ずっとこのマーケット感覚の方が大事だと著者は主張しています。

» 続きを読む

2015年4月 1日

人生がときめく片づけの魔法

◇◆第881回◆◇

4763131206人生がときめく片づけの魔法
近藤 麻理恵
サンマーク出版 2010-12-27

by G-Tools

片づけられないのは片づけの方法を習っていないから
部屋を片づけることが苦手だという人は結構いるようです。私自身もかつては散らかった部屋で暮らしていました。「断捨離」の考え方に出会って部屋を片づけ、それ以来ビジネスホテルのようなすっきりとした部屋で暮らしています。再び散らかって部屋がカオス状態になるというリバウンドには見舞われていません。それでも、本書からはさらに学ぶことがいろいろありました。

» 続きを読む

2015年3月17日

自動運転

◇◆第880回◆◇

4822273962自動運転 ライフスタイルから電気自動車まで、すべてを変える破壊的イノベーション
鶴原吉郎 仲森智博 逢坂哲彌
日経BP社 2014-10-06

by G-Tools

自動運転がもたらす近未来社会
自動運転とは、車が人間の運転手を介さずに自律して走ることです。SFのように思われる技術がすでに実用化一歩手前まで来ています。この先、10年ほどの間に自動運転の車が社会の中で欠かせないものになっていきます。それは携帯電話がこの10年ほどの間に急速に社会に浸透し、なくてはならないものになったのと似ています。本書は自動運転が社会にもたらす影響と自動運転の現在、そして近未来について、わかりやすく書かれています。

» 続きを読む

2015年1月22日

脳を鍛えるには運動しかない!

◇◆第879回◆◇

4140813539脳を鍛えるには運動しかない!―最新科学でわかった脳細胞の増やし方
ジョン J. レイティ エリック ヘイガーマン John J. Ratey
日本放送出版協会 2009-03

by G-Tools

運動は健康に生きるために必要不可欠
運動をさせた子どもは成績があがる。運動すると35%も脳神経成長因子が増える。運動することでストレスやうつを抑えられる。運動で5歳児のIQと言語能力には大きな差が出る。運動する人は癌にかかりにくい。運動を週2回以上続ければ認知症にかかる確率が半分になる。-----これらのことを具体的な研究結果、症例をあげながら330ページ以上にわたって述べている本です。運動が健康のためにいいということはわかっていても続かないという人は多いです。しかし、本書を読めば運動は気が向いたらやってもいい「趣味」のようなものではなく、絶対的に必要なものということが理解できるでしょう。

» 続きを読む

2014年12月 5日

スポーツ遺伝子は勝者を決めるか?

◇◆第878回◆◇

415209477Xスポーツ遺伝子は勝者を決めるか?: アスリートの科学
デイヴィッド エプスタイン 福 典之
早川書房 2014-09-25

by G-Tools

勝者を決めるものは複雑にからみあっている
結論から言うと、スポーツ遺伝子は勝者を決めません。遺伝的優位性というものは確かにあります。しかし、それだけで勝者が決まるほど人間のパフォーマンスは単純ではないからです。本書で中心的に取り上げられているのは陸上競技の長距離系(持久系)と短距離系(瞬発系)です。これらは最も遺伝的優位性が強く現れている競技分野です。長距離系種目で現在圧倒的な強さを見せているのはケニア、短距離系ではジャマイカです。彼らの遺伝的背景について詳しく書いてあります。

» 続きを読む

2014年10月20日

ホット・ゾーン

◇◆第877回◆◇

4864103674ホット・ゾーン――「エボラ出血熱」制圧に命を懸けた人々
リチャード・プレストン 高見浩
飛鳥新社 2014-09-25

by G-Tools

エボラ出血熱の生々しいドキュメント
エボラ出血熱の感染が広がっています。すでに感染者は九千人を越え、死者も五千人になろうとしています。ギニア、リベリア、シェラレオネといった西アフリカの国々だけでなく、最近ではアメリカ、スペインなど先進国でも医療従事者の感染があり、全世界的な流行になるのではないかとの懸念が広がっています。エボラ出血熱は1976年にスーダン(現:南スーダン)で最初の患者が発生して以来、数年周期で散発的な流行が見られてきました。

» 続きを読む

2014年9月 8日

スタンフォードの自分を変える教室

◇◆第876回◆◇

4479793631スタンフォードの自分を変える教室
ケリー・マクゴニガル 神崎 朗子
大和書房 2012-10-20

by G-Tools

意志力を磨いて自分を変える
この本には意志力を磨くための方法が具体的に記されています。受講者の「行動」を激変させたスタンフォード大学の人気講座を書籍化したものです。意志の力を著者は「やる力」「やらない力」「望む力」の三つの力であると定義しています。それらはものごとを先伸ばしにする(やる力不足)、誘惑や依存症に苦しむ(やらない力の不足)、やる気が出ない(望む力の不足)として、すべての人を苦しめるのです。意志力を磨けば、人生が変わる。だから「自分を変える教室」なのです。

» 続きを読む

2014年9月 7日

大西洋漂流76日間

◇◆第875回◆◇

4150502307大西洋漂流76日間 (ハヤカワ文庫NF)
スティーヴン キャラハン Steven Callahan
早川書房 1999-05

by G-Tools

海洋史上稀な長期漂流の記録
1982年2月4日の夜、嵐の大西洋で著者の乗る小型ヨットはクジラに衝突され沈没。救命イカダに逃れた彼の手に残ったのはわずかな水と食糧、ほんの数えるほどの道具だけでした。漂流者の90%が遭難からわずか三日で命を落とすといわれています。そんな中、著者は強靭な精神力であらゆる困難を乗り切り、生還します。次々と襲う危機、餓えと渇き、船と遭遇しながら発見してもらえない絶望感、それらとたったひとりで闘いながら、漂流をどのように乗り切ったのかを描いています。

» 続きを読む

2014年8月29日

トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか

◇◆第874回◆◇

4635047466トムラウシ山遭難はなぜ起きたのか (ヤマケイ文庫)
羽根田治 飯田肇 金田正樹 山本正嘉
山と渓谷社 2012-07-23

by G-Tools

大量遭難の背景にあったもの
2009年7月16日、北海道の大雪山系・トムラウシ山で18人のツアー登山者のうち8人が亡くなるという夏山登山史上最悪の遭難事故が起きました。低気圧の通過で山は台風並みの暴風雨となり、その中でガイドも含む8人が次々と倒れていきました。本書はなぜそのような状況に陥ったのかを検証し、今後の教訓を浮かび上がらせようとしています。大量遭難の現場の状況を描くとともに、気象状況、医学・生理学分野の専門家も執筆陣に加わって、単なるドキュメントではないものになっています。

» 続きを読む

2014年8月26日

浅田真央 POWER&BEAUTY

◇◆第873回◆◇

4093881219浅田真央 POWER&BEAUTY
ウイダー 浅田真央 栄養&トレーニングサポート・プロジェクトチーム
小学館 2010-04-01

by G-Tools

トレーニング&栄養を具体的に
浅田真央選手をサポートした栄養とトレーニングの専門家が、その内容を具体的に記しています。フィギュアスケートという特殊なスポーツのトレーニングと思いきや、普通の人間が参考にできることもいろいろ書いてあります。34~41ページにかけて書いてある「体幹を鍛える腹筋運動」を、そのまま取り入れて私は実行しています。栄養に関して、専属の栄養士が浅田選手にむけて毎月一回発行していた「えいよう新聞」を読むことができ、これも参考になります。

» 続きを読む

2014年8月22日

脱出記

◇◆第872回◆◇

4863329245脱出記―シベリアからインドまで歩いた男たち (ヴィレッジブックス)
スラヴォミール ラウイッツ Slavomir Rawicz
ヴィレッジブックス 2007-11

by G-Tools

砂漠とヒマラヤを越えて
第二次世界大戦中、ポーランド陸軍騎兵隊中尉だった著者は、ソ連当局に覚えのないスパイ容疑で逮捕されます。拷問されても罪は認めませんでしたが、ソ連側の形式的裁判で25年の強制労働との判決を受け、シベリアへ送られます。家畜車両に詰め込まれて、モスクワからイルクーツクまで輸送。その後は他の囚人たちと鎖につながれ、強制収容所まで千キロ以上を歩かされました。収容所について最初の労働は自分たちが寝起きする収容棟を建てることでした。

» 続きを読む

2014年8月 9日

我が足を信じて

◇◆第871回◆◇

4286112675我が足を信じて 極寒のシベリアを脱出、故国に生還した男の物語
著者:ヨーゼフ・マルティン・バウアー 訳者:平野 純一
文芸社 2012-05-01

by G-Tools

戦争捕虜シベリアからの脱出行
これは、シベリアの東の端にある収容所から脱走し、故郷のドイツまで3年をかけて逃げ帰った将校の体験を基にした小説です。主人公のフォレルは第二次世界大戦で、ドイツの落下傘部隊の隊長として当時のソビエトとの前線に派遣され、捕虜になります。戦後、シベリアでの重労働25年という刑の宣告を受けました。何か特別な犯罪をおかしたというわけではなく、恣意的なソビエトの裁判によってそういうことにされてしまったのであり、こうした状況に追い込まれた捕虜は大勢いました。

» 続きを読む

2014年7月29日

FBI美術捜査官

◇◆第870回◆◇

4760139966FBI美術捜査官―奪われた名画を追え
ロバート・K. ウィットマン ジョン シフマン Robert K. Wittman
柏書房 2011-06

by G-Tools

人類の財産を取り戻す
盗まれた芸術品を取り戻すべくFBIの潜入捜査官として活躍した著者の回顧録。美術犯罪に関して著者は、犯人を逮捕することよりも大事なことが、美術品を無事取り返すことだ、と書いています。原題の”PRICELESS”が示すようにそれらは芸術的、歴史的に唯一無二の人類の財産です。FBIであっても美術犯罪は、麻薬や殺人といったものよりも軽んじられがちでした。しかし、著者は「人類の財産を守る」ということに心からやりがいを感じ、潜入捜査官として数々の事件を解決しています。

» 続きを読む

«「あの世」が存在する7つの理由